2008年08月16日

崖の上のポニョ その2

子供と老人

 「崖の上のポニョ」の舞台は独特です。宗介の母は、デイケアセンターで老人の世話をするのが仕事。宗介は、併設の保育園に預けられています。
 結果として、この物語では、子供と老人が活躍し、多くのストーリーで当然のようにメインをはっていた青年や大人が不在となっています。

〈以下ネタバレ含む〉

 皆さんは、ポニョの結末をどう思ったでしょうか。
 宗介は、グランマンマーレの問いに迷いなく答え、ポニョを受け入れます。おとぎ話のように愛を誓ったわけですが、通常、このような王子様役は青年が担うものです。ポニョの元である人魚姫自体、もとの話では年頃の女性だったはずです。
 では、なぜそれが子供同士になってしまうのか。こう考え出すと、物語はにわかに影を帯び始めます。純粋に「好き」を言いあって不自然ではないのは、もはや子供しかいないんです。だからこそ、誓いのシーンで観客は、どこか世離れした老人たちに限られている。青年や大人は邪魔なのです。
 だとすれば、作中で人間に絶望しているフジモトこそが、宮崎監督自身なのかもしれません。彼が行っている怪しい生命の実験は、アニメ作りとどこか通じて見えませんか?

posted by Dr.K at 17:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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