日本国内では、「ドラゴンクエスト」によって、RPGというジャンルが一般に広まった。そのシステムが、「Wizardry」や「Ultima」といったアメリカ製ゲームを元にしているのは、皆さんもご存じの通りだ。
今では、日本らしいゲームの代表とも言える「ドラクエ」。しかし、その舞台は全く日本ではなく、剣と魔法、すなわち西洋ファンタジーの世界観を借りるしかなかったのである。
だが「仙剣奇侠傳」は違った。システムこそFFを流用したと思われるが、その世界観は中国伝統の「武侠」物語があてはめられたのだ。これにより、モンスターは妖怪となり、魔法は仙術となった。単なる言い換え、と思うかも知れない。しかし、文化圏の違いというのは意外なところでインパクトをもたらす。
例えば、図の〈お鈴〉。(キャラ説明にいちいち漢詩が付くのもつっこみ所) よくある魔法使い系のキャラなのだが、この巫術ってのがヤバい。蠱毒という虫を使った妖術であり、そのため、アイテム欄がイモムシやゲジゲジやクモでいっぱいになってしまう。
特にひどいのが〈操り虫〉の術で、これは死者を操る術なのだが、戦闘中に死んだパーティーのメンバーをゾンビとして使役できる。日本人の道徳観では到底ありえない設定であり、西洋だったとしても黒魔術で悪人専用なのは間違いない(笑)
かわいい顔してるが、お近づきになりたくないこわーい女の子なのである。