2009年01月11日

マンガ描きの分業化について

 少年ジャンプで連載中の「バクマン。」の中で、最近のマンガの作られ方が明かされて、話題になっています。

たけくまメモ:『バクマン。』に関するコメント欄の流れ
島国大和のド畜生:マンガ製作のプロダクション化

 手塚信者のオールドタイプである私としては、漫画家たるもの、原作から作画までを一人でやってこそ本物、と言いたいところです。
 しかしながら、マンガの分業化は、今後も進むでしょうし、ビジネスとしてもそうあるべきなのでしょう。
 なぜなら、現在のマンガは、週刊連載のメジャーなものなどは特に、描き手にとってオーバークオリティを要求される仕事になってしまったからです。
 戦後間もない頃は、アニメもゲームもありませんでした。その頃のマンガというのは、文字だけの小説と違って絵で描いてあるぶん、豪華なメディアとして認識されていたのではないでしょうか。そのような認識の元では、マンガの絵は少々雑であっても、読み手の想像力を喚起するスイッチとしての役割を果たせばOK、ということになります。
 ところが現在は、アニメもゲームもある。そんな中、マンガというのは、動かないし色もないアニメ、くらいのしょぼいメディアになってしまっているのではないでしょうか。そのような中では、読み手はマンガに対しても、アニメやゲームが集団の力で実現しているような、整った品質を要求するようになります。
 マンガの側がそれに応えるために、個人の努力では限界があります。今以上の分業の細分化をし、集団の力で品質を上げていくしかない。今はマンガにもPCのツールが使えるので、分業の可能性が昔より高まっていることも+要因ですね。

 このように、マンガをチームで作っていく際、ネックになるのがお金のことではないでしょうか。
 マンガは、雑誌掲載時にページ単位で原稿料が出ます。とても安いらしいのですが、単行本の印税が出ると、ようやく潤うんだそうです。これは、漫画家が個人であることを前提としたやり方であり、チーム相手ではさすがに厳しいものがあります。
 アニメやゲームのように、収支の予測を立てた上で、期間を決め、チームに対して制作費を支払う形をとるというのはどうでしょうか。これだと、絵はうまいけど漫画家デビューするのはちょっと…という人も参加しやすく、すそ野が広がりそうな気がします。
 それでマンガが面白くなるのか、と言われれば多分なりません。しかし、このような作られ方の作品の方が安心して見ていられる、という読者はメジャー誌には結構多いのでは、と私は見ています。ついでに言うと、私みたいな(ゲームの)企画屋が、マンガ業界で食える可能性が出てくるってのも見逃せない(笑)

 もちろん、個性的な漫画家は、従来通りマイナー誌でコアな支持を受け続けるのでしょう。それらと、メディアミックスなどを前提としたメジャー志向な作品は、作られ方や収益方法も違っていいのではないでしょうか。

posted by Dr.K at 12:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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