2009年01月17日

L -change the WorLd-

 福田麻由子がかわいい、という一点のみ誉めるべき映画。
 あの怒気をはらんだ演技ができるのは、他には成海璃子くらいしかいないんじゃないか。すばらしい。

 映画「デスノート」がヒットしたので、Lを主役にもう一丁、というスピンオフ商法。
 過去に「踊る大捜査線」が同様のことをやっているのだが、それらは少なくとも元の世界観を大切にしていたと思う。
 だが、「L」の制作スタッフは元の「デスノート」が嫌いなんじゃないか、としか思えない。Lが活躍するには、魅力ある敵が必要。ライト亡き後、彼に匹敵する敵キャラを新しく作るのはたしかに大変だったろう。しかし、だからといって気の触れたテロ団体(しかも4人だけ)が相手とはいただけない。世界の浄化という目的。ウイルステロという手段。それらを決断するに至る経過が不明なので、ひたすら悪いだけのチープな敵が出来てしまっている。目的だけライトに似ているので、死んだライトを貶めるという追加効果まで発生。これはひどい。

 そして、デスノートを焼き捨てて、代わりに出てきたのが新種ウイルス。ファンタジーから、もっとリアリティのある危機へ、と舵を取りたかったものと予想するが、だったらもっとまじめに医学考証をしろ
 ウイルスの効果を、怖いものに見せようという意識が先走りすぎ。松ケン目当てで来てるだろう女性客を、スプラッターで引かせてどうすんの。特にひどいのが終わり際。どうひいき目に見ても、最後の飛行機の乗客はほとんど死ぬ。抗ウイルス薬ってのは、ウイルスを殺しはするだろうが、人体を一瞬で修復まではしないでしょ。あれだけ出血してたら内臓なども相当破損してるんで、死ななくても長期入院です。動けません。血を吹いて倒れたはずの悪党どもが、神妙にお縄を頂戴して、自分で歩いて飛行機を降りてきたときには目が点になった

 全体に、設定や脚本が粗雑だ。Lは、デスノートによって死期を決められているので、それまでは無敵。そこで、ウイルス荒れ狂う飛行機内へ単身飛び込んだり出来るわけだが、なんか間違ってないか。死なないってことと感染しないってことは別だろ。現に、敵の皆さんは死ぬ思いをしたけど生きてるわけで。感染したまま、その日を迎えて死ぬという可能性を、Lや制作者は考えなかったんだろうか。

 こんなんだったら、魔界の悪魔と対決するぐらいの非現実的な作品にしてもらった方が、マンガを元にしたキャラとしてはマシな活躍ができたかもしれんわ。
 実にやばい。福田麻由子が出てなかったら、全く見る価値のない映画になるところだ。

福田麻由子 10
松山ケンイチ 7
ナンチャン 1
個人的総合 4

posted by Dr.K at 11:51| Comment(3) | TrackBack(1) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
個人的には終わり際とか、なるほどなと思ったんですが
確かに月と比べると色々難しいですね。
ウイルスに関しては似たような意見でしたが、感覚で生きている自分には
よくもまあ、畳んだなといった程度で片付けられました(笑)

そんなことよりDMCのDVDや銭ゲバの松ケンワールドが控えております。
Posted by そら at 2009年01月18日 02:23
お久しぶりです。
松ケンは、和製ジョニーデップの位置でも狙ってんのか(笑)
最近は素顔で出ているとものたりません!
Posted by Dr.K at 2009年01月18日 09:15
どうせ原作無視の適当な作品なんだろう。
と舐めてかかっていた私としては意外と楽しめましたよ。

デスノートと言いながら問題のノートが5分も出てこない点も、
登場する敵が安っぽ過ぎる点も、
「デスノートとライトが居ればどんなにかだったろう。」
と思うと、登場しないはずの本編主人公の存在感があって良かったです。

ただ、何の脈絡も無く登場するFBIや
死期と死に方が決まっているから幾らでも無茶できる点を活かしきれてない
シナリオの残念さは頂けませんが・・・。
Posted by レーノ at 2009年01月20日 00:49
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