キムタク主演、毎週豪華ゲストの出演で視聴率を稼いでいるらしいこのドラマ、最終回を待たずにダメな雰囲気がプンプンである。
制作者はまず、誰に何を届けたいドラマなのか考えた方がいい。
予算をつぎ込んだ研究所のセットや、SF的な機器やCGの数々、脳科学をかみ砕いたウンチクなどは、青少年男子の興味を引き、8時代の番組にはピッタリである。ところが、扱われる事件は一転して凄惨であり、他のドラマに比べても猟奇的描写が激しく、深夜帯のマニア向けドラマのようだ。主題歌はヴァン・ヘイレンの名曲だが、これに反応するのは40歳以上のオッサンだけであり、とってつけたような使われ方で本編に全くなじんでいない。がちゃがちゃ切りかわるカメラワークがやかましく、無意味に目が疲れる。
要は色々な視聴者に目や耳から強い刺激を与えたいものと思われるが、表面的なギミックに終始し内容が伴っていないため、ドラマを楽しみたい者の心におよそ触れてこない。
キムタクは、ドラマで主演すれば美容師やレーサーやパイロットや検事になりたい人が増える、という冗談が言われるほどの影響力のある俳優である。ところが今回の脳科学者は、内面がほとんど書かれないため、その活躍に関わらず、いまだに共感できない変人にとどまっている。脇役の人間性についても、とんと無頓着な脚本であり、いまのところいいキャラは、香川照之演じる丹原刑事くらいだ。
昨日放送の回では、解決編を次回に持ち越した上に、予告編で(今回は影も形も出なかった)仲間由紀恵が血みどろになってみせるという、あざとい視聴率稼ぎの姿勢が見られ、下品な商品ドラマという印象を強めた。
脳という人間性の本質に関わるモチーフを扱いながら、これほどまでこけおどしの内容に終始するとは予想しなかった。同じ事件ものながら、超常現象から出発して人間性に着地する「キイナ」の方が、よほど真摯なドラマだったと思われる。
キムタクは、そのレーザーポインタで、制作スタッフの脳を照射してみるといい。きっと何かが足りないから。
それはともかく、あれだけ血を使った直接表現が多いのって、20時台のテレビ番組で使っていいのか?
昨今の表現の規制の話ではないけど、そういう団体が気に入らないものだけを世界から抹消していっているだけな気がするなぁ〜。
ガクトはホラーと相性が良すぎます。
>fuku-Dさん
「白い春」を推したいですね。