2009年10月13日

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 その2

 映画館での公開もほぼ終了したので、ネタバレ全開で感想を書こうと思ったけどやめた。完結までに二転三転することが分かりきっているものを、あれこれつっつくのは無粋である。この映画に必要なのは解釈ではない。感覚だ。

 本作は、子供の頃の夏休みを思い出す、ノスタルジックな一本であった。「サマーウォーズ」が田舎の夏休みとするならば、「ヱヴァ」は都会の夏休みである。

 1980年頃になるだろうか、夏休みの映画館では、「ウルトラマン」や「仮面ライダー」といった特撮ものの映画を必ずやっていた。今も「仮面ライダー」の映画はあるが、劇場版オリジナルのストーリーがきちんと作ってあるという点で、当時のものとは決定的に異なる。この頃の劇場版は、ほとんどがTV番組の総集編であり、新たに作られた部分などほとんどない、極めてちゃちな映画ばかりだった。しかし、一話に一体しか出なかった怪獣・怪人が、大スクリーンで次々と暴れるだけで、子供たちにとっては充分だったのだ。

 「ヱヴァ」において、使徒とのバトルがつるべ打ちにされる展開を観ながら、私はその経験を思い出した。古い歌の目立った使い方や、水族館といった懐かしい舞台も、その頃の雰囲気を強めていたと言える。ヒネた客が一気に童心に返った。他の映画では得難い経験だ。
 もちろん、「ヱヴァ」は、ストーリーも新しく、キャラは今風であり、技術的にもかなりの挑戦をしている。主なターゲットはやはり若者だ。しかし、一方で、作り手の世代の懐かしい記憶がそこかしこにアピールされていて、オールドファンもまた、子供に戻ることができるのである。
 その結果、ストーリー上では人類が滅亡しかねない深刻な状況になっていても、映像的にはお祭り騒ぎの如きハデな戦いに胸が躍るという、矛盾した心理に観客は振り回される。映画が終わると、「なんかすごかった」という感想しか残らず、もう一度観たら何か分かるのでは、と再び足を運ぶが、所詮「続く」なので何も結論が出ておらず、しまいにはDVDやブルーレイディスク、関連グッズで自分を納得させようとし始める。畜生、うまい商売だなぁ!

映像美    9
前作踏襲度 3
続編期待値 10
個人的総合 9 

posted by Dr.K at 23:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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