2009年11月23日

ドット絵でホームドラマ 「サクラノート」

 「サクラノート」をプレイ中である。
 このゲーム、誤解を恐れずに言うと、ゲームとしての面白さはほぼ無い。アクション性もなければRPG要素もない。ドットキャラの演技で見る、ノベルゲームとでも言おうか。

Sakura_0004 しかし、ストーリー的には、かなり興味深い。
 主人公は小学生の少年。彼が、少女と桜と妖怪をめぐる騒動に巻き込まれていく、ファンタジックな、いかにもゲームという物語。それを、言葉の通じない犬猫の視点で見ることもできる、というのが大まかな内容である。
 ところが、ストーリーはそれだけでは終わらない。少年少女の両親、つまり大人の心情が掘り下げられているのが大きな特徴なのだ。
 少年の父はフリーのゲームクリエイターで、オタクっ気が抜けず大人になりきれない。母は夫の浮気を疑っていて、息子の心配もあってかなりナーバス。少女の母は離婚したばかりで気持ちが落ち着かず、父はこっそり娘を見に来ようとしている。冒険している少年少女と違って、こちらはどこまでも現実的なドラマである。
 思えば、ゲームの世界には、これまであまりにも家族の存在が希薄だった。それは、親の存在を疎ましく思う未成熟な世代が、ゲームのプレイヤー層の中心だったからである。しかし今後は、ゲームも映画やドラマと同じように、家族の問題をとりあげられるだけの成熟したメディアとなるべきではないか。「サクラノート」からは、そんなメッセージを感じる。

 大人向けを標榜するだけあって、ドット絵の演技から、音楽から、説明書(画像)にいたるまで、非常に丁寧に作られており、質が高い。倒し、倒されるゲームにはもう飽きた、そんなプレイヤーにこそオススメである。

posted by Dr.K at 20:24| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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