東大阪は長瀬、近畿大学の門前に店を構え、レトロアーケードゲームの聖地と呼ばれる奇跡のゲーセン「あうとばあん」が、ついに閉店したそうだ。
公式にはあくまで一時閉店だが、復帰の可能性は低そうだ。何しろひどい店だった。まず建物がぼろく、2Fの床が抜けそう。絡み合う電源が縦横に走っていて危険。そして何より、いつ火を噴いてもおかしくない超レトロゲーム機の数々。私が学生だった頃からすでに、消防法などの基準を満たしていたとは思えない。
しかし、私の青春は間違いなくこの店と共にあった。まるで通っていた母校が廃校になってしまったかのような寂しさを感じる。
そこで今回は、追悼の意をこめて、私がこの店でプレイしたゲームを紹介することにする。
「プロ野球入団テスト トライアウト」は、85年発売のアーケードゲーム。データイースト社のゲームなのだが、wikipediaにも載っていないとは、よほどのマイナータイトルなのだろう。
私は、あうとばあんの2階でこれに遭遇。しかし、他の店で見つけたことは一度もない。
それにしても変な企画だ。普通に野球ができるゲームならともかく、プロ野球の入団テストを受ける、などというしみったれたゲームが、なぜ売れると思えたのだろう。こんなのを喜んでプレイするのは私だけだ。
最初のテストはバッティング。ピッチングマシーンの球種とコースを頼りに、ノルマ以上のヒットを飛ばす。これはわりと簡単。
次のテストは遠投。角度とパワーを操って、ノルマ以上の距離を投げればOKだ。これが連打が足りないのかタイミングが悪いのか、どうしてもクリアできず、以降の種目は実は知らない。あうとばあんは、安い代わりに極悪設定になっていることが多い店だったから、この台もベリーハードになっていたのかもしれない。
牧歌的なBGMとキャラのコミカルな動きで、変にのどかな味が出ており、あうとばあんの景色にひときわよく馴染んでいるゲームだった。私にとって忘れがたい一台だ。
ゲームセンターに通い詰めていたことが懐かしいです。
しかし、あうとばあん閉店ですか…。
時代が変わっていくのを感じます。
サンセットインはまだ現役なのが救いかなあ…。