2010年02月22日

ブラック・ジャック 火の鳥編 その6

 ゲームストーリーをなるべくネタバレせず、キャラや元ネタだけ明かす方針で進めていますが、いかがだったでしょうか。今回でようやく完結です。

Bjds831ポロロ
 「人間鳥」の成田以香留キター! と思ったけど間違い。「鳥人大系」からの出演とは恐れ入った。
 「鳥人大系」は、SFを得意とする手塚の中でも屈指の傑作。「鳥」「猿の惑星」あたりの映画から着想したと思われる連作短編だが、予想外の辛辣な社会風刺が飛び出し、読後の手応えはずしりと重い。ポロロの登場エピソードは聖書のパロディになっていて、今の若い漫画家では腰が引けてとても描けまい、という代物。
 ゲームの各章の題が、ここまでは医学用語だったのに、次で突然「アニマ・ムンディ」となって何じゃこりゃと思った人もいるだろう。実は、「鳥人大系」で各章が鳥人の学名(ラテン語)になっており、それにちなんだもの。

 シルバーランド開発に雇われている駐在員が日本人(ひもとひとし)。手塚の死で未完となった「グリンゴ」の主人公である。「きりひと讃歌」の桐人も登場。

32ピノコ
 ピノコの活躍が少ないなあ、と思っていたら終盤に持ってきたか。ラブレターの内容は「ピノコ・ラブストーリー」。手術前のやりとりは「ピノコ生きてる」から。

33ブラック・ジャック
 原作でも何度か行っている自分の手術。鏡で反転して見る、がゲーム的に再現されていてうまい。私は左利きなのでむしろ楽勝になった。

34オーベロン
 偉そうなキャラをやらせたら天下一品のレッド公は、「来るべき世界」はじめ多数のマンガに出演。その傍らの鳥が〈火の鳥〉にしては人相(?)が悪いな、と思ったら「鳥人大系」のオーベロンでまたびっくり。
 薬品名「ドルベスチン」は「ユフラテの樹」から。「エネル石」は「ロストワールド」の用語。
 アラバスターに見せ場があるのは良いが、どうせなら亜美の方にも出てほしかった。
 最終ステージだけあって、難易度もかなりのもの。

【終わってみて】
 ゲーム的には、リズムゲーム部分はマンガ的演出も含めて良かったが、手術後半のミニゲームは今ひとつのように感じた。
 ストーリー的には、無理に壮大な謎解きにせずとも、大企業の悪を暴くくらいで充分と思った。特に、終わりの方はブラック・ジャックの根本を覆す展開となるため、原作主義の人にはつらいかもしれない。こういう話で行きたいのなら、「火の鳥」がメインのゲームにするべき。「アトムハート」の時と違って、主張がややあざといのも残念。
 とはいえ、ゲームのボリュームの割に、手塚ネタをぎっしり盛り込んでいて満足度が高かったのも事実。(如月先生とコマドリは、伏線らしきものがあったのに出なかったけど。) 全編通して、どの程度の手塚ファンか試されるようなゲームに仕上がっているので、腕に覚えのある人は挑戦すると良いのでは。

(おまけ) ストーリーを含む完全な内容を見たい人は、こちらをどうぞ↓
こっそり積みゲー日記

posted by Dr.K at 14:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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