2010年07月07日

紅の豚

 公開当時、宮崎アニメにしてはイマイチ、と感じていた。
 カーチスとの対決をクライマックスに持ってきておきながら、飛行機では決着をつけず、殴り合いで泥臭く試合を決める。スポンサーが航空会社なので気を遣ったのだろうか。それまでの、「ラピュタ」や「魔女宅」が明確なハッピーエンドだったので、特に違和感があった。

 しかし、そんなものは子供の感想でしかなかったようだ
 今見るとしみじみといい映画だ。まず、背景となる戦時下のヨーロッパの緊張感が、意外と丁寧に描かれていて深みがあるのに驚く。味のあるセリフ回しは、空疎な中二病発言が跋扈する今日のアニメの中では、ひときわ輝きを増す。何より、ポルコの造形が絶妙だ。あの見かけだからこそ、フィオやジーナと釣り合いがとれる。これが、人間の渋いオヤジだったら、生臭すぎて、古いヨーロッパ映画の下手な真似事にしかならなかっただろう。
 古くさい美学を引きずるポルコの態度そのままに、控えめな結末がまた素晴らしい。ちょっと見ただけでは、その後のポルコの行方は知れないのか、と思ってしまう。それはそれで渋いエンディングだが、実はよく見ると背景に答えが書いてある。
Porco
 「ジーナさんの賭けがどうなったかは私達だけの秘密…」というナレーションのバックで、ポルコ機が停泊しているじゃないか。これはお見事。映画館で気付いた人、何人いるのかなあ。

飛行シーン  9
久石サウンド 10
オッサン度  8
個人的総合  9

posted by Dr.K at 22:12| Comment(2) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは。
紅の豚のカッコ良さは異常。
あれは主人公がチャラいイケ面でなく、豚だから良い。
豚だからポルコのストイックさが際立つ。

ジーナさんもポルコが豚であることで、外見だけにとらわれない、本当の意味でのイイオンナであることが強調される。

ポルコの
『飛ばない豚は、ただの豚だ』
は屈指の名台詞だ。
Posted by じあんとー at 2010年07月08日 23:05
私の父はタイトルを見て
お好み焼き屋の話と思ったらしい。
実際はピザだったと。

どうでもいい話ですいません。
Posted by Sash at 2010年07月09日 01:17
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