2010年07月17日

悪ふざけに乾杯! 「うぬぼれ刑事」

 金曜の夜はドラマ「うぬぼれ刑事」で決まり。クドカンが無双状態である。

 物語というのは、先鋭化すると、さまざまなタブーを犯し始める。残虐表現や性表現で行き過ぎてしまった作品は、過去にたくさんあった。また、政治や宗教に触れるのも危険である。
 しかし、それらとは別に、テレビドラマには最大のタブーが存在する。恋愛はまじめに扱わねばならない、という掟である。凶悪な殺人犯でも恋愛感情によって人間性を取り戻し、ふざけたコメディでも恋愛にはまじめに向き合う、というのが物語の常道だ。
 私は、このような、フィクションにおける恋愛の神聖視が、現実にもあてはまると誤解してしまった結果が、ストーカーやヤンデレといった病理である気がしてならない。現実はそれほど恋愛至上で動きはしない。

 「うぬぼれ刑事」は、このタブーに敢然と挑み、ほぼ全編を通して恋愛をくだらないものとして笑い飛ばす。主演の長瀬智也はじめ、イケメンが雁首をそろえながら、恋愛については驚くほどの無能ぶり。毎回、惚れた相手が事件の犯人で、婚姻届と逮捕状を同時に突きつけるめちゃくちゃなプロットに脱帽だ。従来のドラマファンには、喧嘩を売っているとしか思えない。これは人を選ぶぞ。

 そして、過剰なネタの詰め込みっぷり。
 最初の事件からして、ゲーム企業「マジソン」(マジコンかハドソンか?)でヒットメーカーの「宮本」が殺されたというもの。そのゲーム画面というのが、ハゲたマリオみたいなキャラでシャレにならない。
 うぬぼれの元恋人が中島美嘉で、回想シーンではNANAのような格好つけた姿が似合う、なのに現在では結婚して、コスプレよりひどい新妻姿で落差がすごい。
 「筆談ホステス」って、確かハンデを乗り越える美談だった気がするが、それをパロったキャラが下ネタや暴言を書き散らす。そこまでやるか。
 これ以降、話に進展は全く期待しないが、どんな変化球が来るのか実に楽しみ。

 バラエティ番組のコントのような悪ふざけを、確かな演技力の俳優でやりきっている。ドラマの既成概念に縛られず、楽しめたあなたはラッキーだ。

posted by Dr.K at 09:48| Comment(0) | TrackBack(1) | 馬鹿は黙ってろ! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Tracked: 2010-07-23 19:48