2011年05月12日

リトル・ランボーズ

20110510

 「リトル・ランボーズ」、昨年の公開時には観る機会を逃してしまったのですが、神戸の名画座「パルシネマ」で上映が始まり、ようやく観ることができました。
 昭和の雰囲気を色濃く残す映画館でしたが、館内は大変きれいで、何より今回の映画に雰囲気がぴったりでした。そう言えば、この映画館の所在地は新開地。その昔、ゲーム「ポートピア連続殺人事件」の中で、新開地のスナック「パル」が聞き込み場所の一つになっていたのですが、ひょっとするとこの映画館からの連想かも知れません。開業から40年経つそうですし。

 本作の主人公は、11歳の少年ウィル。彼は、家族が戒律の厳しい宗派に入信しており、一切の娯楽が禁じられています。その厳しさは、授業中にテレビを視聴するようなことがあると、一人廊下に出されるほどなのです。
 ウィルは、学校一の問題児カーターと出会い、彼の家で生まれて初めて映画「ランボー」を視聴します。人生初の娯楽に感動したウィルは、「ランボーの息子」を名乗り、カーターが作っていた映画に出演することを宣言します。
 映画作りを通じて、二人は友情を育みます。80年代のなつかしい雰囲気もあって、非常に心温まる描写です。ところが、そこへ不穏な空気が漂い始めます。
 フランスから来た交換留学生のディディエは、学生達を従え、不埒の限りを尽くしていましたが、周囲のおとなしいイギリス人学生に退屈していました。彼はウィルたちの映画の構想を知り、自分を主役として出演させるよう頼み、屈託のないウィルはこれを快諾してしまいます。カーターと二人で作られていたはずの映画は、ディディエと取り巻きたちによって、大きくその姿を変えられることになります。
 観客は、この自主制作映画の完成した姿が、おそらく後で見られるだろうと予想しています。それだけに、ディディエたちの狼藉にはハラハラ。このままでは到底まともな出来になりそうもありません。
 誰も言わないので私が書きますが、このへんの展開は、ドラえもんの中の名編「超大作特撮映画・宇宙大魔神」を思い出させます。のび太たちの自主制作映画に、ジャイアンが乱入する話です。
 ドラえもんは笑いで落としますが、「リトル・ランボーズ」は、最後を見事に感動で締めます。もう泣けて泣けてどうしようもありません。反則です。

 冷静に見ると、シナリオはかなり作為的です。ウィルの境遇は、「ランボー」への感動を最大にするためのものだと分かりますし、カーターが退院してからラストシーンへのつながりも少々荒っぽい気がします。しかしながら、この子役二人の演技があまりにも自然なので、納得して見入ってしまうのです。奇跡的な成功作、と言ってよいかもしれません。

手作り感   9
子役演技力 10
大根二人  10
個人的総合 9

他の方の注目すべき批評:忍之閻魔帳

posted by Dr.K at 22:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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