2011年05月30日

「narcissu」(ナルキッソス)

 今さらながら、ステージ☆ななで配布されているノベルゲーム、「ナルキッソス」をプレイした。
 困ったね。こんな良いものを無料で配られては、商売あがったりだ。

Nar

 ただのノベルと侮る事なかれ。プレイすると色々勉強になる。
 まず感じるのが、作品としての純度の高さ。選択肢もなく、背景も少なく、キャラの絵などまれにしか出ない。テキストの力のみでプレイヤーを引っ張っている。こういう思い切りは、商業作品では難しい。
 ストーリーは、あえてカテゴライズすると難病ものの一種。しかしながら、医学考証がされておらず、登場人物は死を目前にしているとは思えない元気さを見せる。これも一種の思い切りで、病気のリアリティを捨てて、死へのタイムリミットを宣告された若者がどんな行動をとるのか、という思考実験に焦点をあてた物語となっていて面白い。
 続編の作り方、という点でも勉強になる。何しろ、主人公もヒロインも死を間近に控えているので、続きを作りようがない。そこで、時系列を遡って過去のエピソードを2作目としているわけだが、この内容が1作目の背景をきちんとふくらませていてうまい。ちょっと話をつなげ過ぎのきらいはあるが…。

 このゲームは、高評価を得て、昨年、フリーゲームとしては異例のPSP移植版が出た。キャラの絵などが足されて、豪華になったが、評判はあまり良くないらしい。それはそうだろう。ストイックに表現された純粋さこそが、本作の魅力だからだ。
 

posted by Dr.K at 22:20| Comment(1) | TrackBack(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
作者本人が、表現のためにわざわざ省いてた声優とかをどんどん足していっちゃってますしね。
移植、ドラマ化、なんでもそうですが、原作にない思惑を、愛情のないまま押し付けても、
幸せになるのは新規ユーザーぐらいなもんで、その新規ユーザーも後になって○○版はダメとか言うのを聞かされるばかりで……。
Posted by at 2011年05月31日 07:51
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