2011年09月04日

コクリコ坂から その1

 これはめでたい。宮崎吾朗監督がパワーアップしている!

 「コクリコ坂から」の企画に関して、宮崎駿が書いた文が公開されている。チラシ、パンフレット、公式サイトのいずれにも同じものが載っているので、まずそれを見てもらいたい。

「港の見える丘」

 なんとも異様な文章だ。そもそも原作である「コクリコ坂から」を、失敗作と断じている。以降も、創作の主義主張が詰まっていて、何というか、もうどろどろである。この映画をもしも宮崎駿本人が監督していたら、何やら恐ろしいものが出来ていたのではないか、と思わせる。
 しかし、宮崎吾朗が監督したことによって、非常に見やすい映画になった。過剰な主義主張は遠ざけられ、キャラクターはすっきりした輪郭線で書かれ、背景は筆のタッチが残る薄塗りになり、全体にあっさりしている。「ゲド戦記」の時と違って、身の丈にあったスケールでそつなく仕上げており、無用な力みが伝わらないのがいい。
 何より、「港の見える丘」で書かれた

観客が、自分にもそんな青春があったような気がして来たり、自分もそう生きたいとひかれるような映画になるといいと思う。

 という目標については完璧に達成しており、結果を出したと言える。個人的には、ジブリの前作「アリエッティ」は子供向け路線だったので、ジジイ向けの本作の方が評価が上となる。 吾朗監督の三作目に期待したい。

スケール  6
映像美   6
ノスタルジー 9
個人的総合 7

posted by Dr.K at 17:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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