2012年03月25日

「風ノ旅ビト」その3

【お品書き】
・「風ノ旅ビト」レビュー集
・ストーリー考察
※今回の記事は、どこをクリックしてもネタバレがあるので、未プレイの諸氏は注意されたし。

●「風ノ旅ビト」レビュー集
 言葉による説明が極端にないこのゲーム。面白いもので、説明がなければないほど、プレイした側が何かを語りたくなってしまうものらしい。私に限らず、どこのレビューもいつになく饒舌で読み応えがある。そして、多くの人が、「全く情報なしでプレイするべきゲームなので、できれば読むな」と矛盾に満ちた断り書きを入れているのに笑う。でもその気持ち、同感である。

Choke Point:【E3 10】 Journey プレビュー
 本作の発想の起点について述べられている。
Game*Spark:海外レビューハイスコア 『Journey』
 海外ゲームサイトでの絶賛の声の他、メイキング映像(英語)あり。
Game Watch:圧倒的なクオリティで迫る“心に問いかける旅”の物語「風ノ旅ビト」
 詳細なレビューに加え、コンセプトアートも掲載。これは貴重。
4Gamer.net:まるで,一つの人生を体験したかのような気分。プレイヤーの感性を刺激する快作「風ノ旅ビト」をプレイムービーで紹介
 上田文人の的を射た評言に感心。プレイムービー(ニコ動)もあり。
AllAbout:かけがえのない旅がそこにはありました。
 田下広夢も思わず「読むな」を連発。いつになく再現度の高い挿絵がかわいい。

Journey4
!!以下に、物語の核心を含むネタバレがあるので注意!!

Makaimap●ストーリー考察
 本作の物語は、各ステージの最後、白い巨人によって語られる。言葉はなく、抽象化された壁画のようなビジュアルを見て、内容を想像することになる。初回プレイの時には、「魔界村」のマップ画面みたいなものか、と思ってしまった。申し訳ない(笑)

[第一の石碑]旅ビト前史
 聖なる山から、言霊(*1)が降り注ぎ、地上には鳥や草木、そして白き民(*2)が生まれた。人々は言霊の力を蓄えた布〈魂布〉(*3)を発見した。
*1 山から吹き出し、空を満たしているのは、プレイヤーが発する声と同じ記号である。よって、ここではこれを言霊と名付ける。
*2 ここで登場する人々は、白い服であり、一般プレイヤーのような赤い服の人とは異なる。
*3 その形状から魂布(コンブ)と名付ける。

[第二の石碑]
 〈魂布〉の力で、白き民の文明は急速に進んだ。やがて、〈魂布〉(*4)から言霊の力を取り出すことに成功し、都市が生まれ、明かりや機械(*5)が発達した。
*4 壁画上での〈魂布〉は、時として炎や雷のようにも見える。現在の文明の比喩である。
*5 絵では出てこないが、機械音がする。

[第三の石碑]
 民は〈魂布〉を蓄え、山を切り開くなど大開発が行われた。

[第四の石碑]
 ところが、資源が枯渇してきた。人々は〈魂布〉を取り合うようになり(*6)、戦争が始まった(*7)。
*6 このときの布が切れるビジュアルは、「絆が切れる」というふうにも読める。
*7 ステージ中に出てくる敵機が、兵器として使われている。

[第五の石碑]旅ビトの誕生
 こうして白き民は滅び、町は砂に埋もれた。砂漠に並んでいたのは、白き民の墓標である。そして、お前(赤い旅ビト)が現れた。

[第六の石碑]過去そして未来
 これはお前がここまで旅をしてきた道のりだ(*8)。そして、運命に従って、吹雪の山を登るのだ。
*8 この壁画は、ソロプレイだとちゃんと一人になるらしい。芸が細かい。

[吹雪の山]
 行き倒れた旅人の前に現れるのは6人の巨人。これは、ここまで通過してきた石碑の数と一致する。してみると、旅人に語っていたのは一人の巨人ではなく、それぞれ別の巨人だったのかもしれない。

[山頂]
 山頂には言霊が満ちている。二人並んで光に包まれると、そのシルエットは山頂の形そのものになる。旅の終わりは、山に還ったという表現がふさわしい気がする。
Journey5

●エンディング考察(赤い旅ビトとは)
 山頂から流れ星が飛び出し、旅路を逆にたどりながら、言霊を振りまいていく(魂布が活性化する描写がある) そして砂漠に着くと、旅ビトが転生した。新しい旅路へ…

 以下は、ここまでの内容をふまえた想像である。
 赤い旅ビトは、白き民の末裔である。彼らは、白き民の誤った歴史、その贖罪を運命づけられて旅をする。旅の目的は、言霊を集め、聖なる山へ返すこと。山の意志で彼らは何度でも転生し、言霊を集めては流れ星となって分配していく。かつての自然が取り戻される、その日まで。
 世界の各地にある山岳信仰をそのままビジュアルにしてしまったかのような内容は、山多き国である日本の人々にも、大いに訴えるものがあると感じた。しかし一方で、こんな精神性のものを、アメリカ人に作られてしまったのはなんとも悔しい。

posted by Dr.K at 12:30| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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