誠文堂新光社のグラフィックデザイン専門誌「アイデア」。何しろ畑違いなので普段は手に取ることもないのだが、4月10日発売の「ビデオ・ゲーム・グラフィック」特集号がすごい、と色々な方面から聞こえてきた。
で、さっそく買ってきたのだが、本当にすごかった。例えば、色々なゲームのロゴを展示したページ。大ヒットタイトルを中心に並べて済ますのかと思ったらとんでもない。誰も覚えていないようなマイナー極まりないタイトルまでしれっと並んでいるではないか。
そして、フォント分析の記事。8×8という限られたサイズで、いかに多様なものが作られていたか、それを検証して見せたという二度とない内容だ。
中東とも中央アジアともつかない独特の不思議な世界観と、スキンヘッドでヒゲの巨漢というキャラクターで、カルト的な人気を誇った横スクロールアクション。ゲーム内容の奇異な味付けにもかかわらず、書体はシャドウも塗りも無いオーソドックスの極みと言うべき1ドット幅のもの。当時のデータイーストのゲームに見られるこうしたミスマッチ感は、多くの固定ファンを掴んだ。
「カルノフ」というゲームを、ここまで完璧に表した評言を私は他に知らない。要約の的確さもさることながら、フォント一つから本質を掴むかのような書き方が素晴らしい。きっと、大変な力量のライターさんが書いているに違いない。