2012年05月13日

プリンセス・トヨトミ

 原作はきっと面白い小説だったんだろうな、と思わせるが、映画としては誉められない出来。

 まず、予告と実際の内容が違いすぎるのがまずい。架空の歴史にのった壮大な謎解きものか、と思わせておいて全然違う。事前の予想が裏切られて、「ほほう、そう来たか」と楽しめるのは、通好みな作品に限られる。本作のような一般向けエンターテインメント(を標榜しているように見える)映画では、もっと内容通りの宣伝を打つべきだろう。

 綾瀬はるかがまずい。凄腕の会計監査チーム、という設定の中で一人だけアホの子になっており、うっとうしい。「JIN」のときの名演はどこへ行ったのか。

 考証がまずい。大阪弁を使うにあたって、吉本のようなオーバーな方言を廃したのは良かったが、多くの役者がたどたどしい、違和感の残るセリフになってしまった。場所の見せ方もイマイチ。空堀のあたりは良かったが、道頓堀や新世界など、有名どころの使い方がいかにも記号的。最もリアリティが感じられたのは、番組中にひょうたんを置かれる山本アナウンサー。

 キャストの中では、茶子(沢木ルカ)が抜群にいい。武将の子孫としてのオーラが全身から出ている。ヤクザの事務所に討ち入りしそうになって止められるが、「セーラー服と機関銃」をリメイクするなら主役は彼女だな、と思った。

 一日ごとにテロップが入って、区切りのある作りなので、テレビ放映でCMが入ってもあまり気にならず見やすい、…かと思ったらCMあけの巻き戻りが極端なところもあって、じゃまくさい。

 ↓特別版パッケージが素晴らしい出来だが、肝心の映画がこれでは宝の持ち腐れ。
Ptoyotomi

 無人の大阪をバーンと見せて、「大阪国独立」とか言わせておけばインパクトはあるが、それに至る作りがどうも荒っぽい。帰路で見えた富士の十字架は、大阪以外にも潜伏国家はあるのかもね、という洒落たオチなのだと思うが、この映画だと続編に意欲があるようにも見えて、どうもやらしい。

 〈親子の絆〉というテーマを持ち出して、ちょっとイイ話にしておけば許されると思うなよ

豪華キャスト詐欺 6
予告詐欺     7
パッケージ詐欺 8
個人的総合  4

posted by Dr.K at 13:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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