お盆休みの映画館は、家族連れで満員。ただ、この作品、子供が退屈しないタイプのアニメではない。狼男がいる世界ではあるが、ファンタジー性が意図的に抑えられている。アニメ作品で、子育てする母を主役にを描いた点が新しい。しかも、かわいい子を育ててます、で終わらず、その自立までを追ったのも意欲的である。
雨と雪には、これからも様々な人生(?)の難題がふりかかるのだろう。だが、そこへ焦点をあてないのは、本作があくまで子育てを中心とする作品だからだ。興味深い問題を数々提起しながらも、その中で掘り下げるべき的をしぼっていく、作り手のぶれない姿勢が感じられる。
しかしながら、アニメとしては未開拓の分野に挑んだせいか、色々なところでバランスが危うい。
例えば作画。貞本義行は今もっとも勢いのあるキャラクターデザイナーだが、子供とか動物になってくるとちょっと苦しい。背景も、手描きタッチと3DCGが混在するのは今では普通だが、一部あまりにも写真テイストなところがあり、違和感を覚えた。
物語的なリアリティのバランスも疑問が残る。都会の暮らしで、子供を隠さざるを得ず、児童虐待を疑われてしまう場面の生々しさ。死んだ狼男がゴミ回収車に持って行かれてしまう場面のエグさ。この部分だけ原恵一が監督したのかと思ってしまう(笑) で、こうしたイヤな感じが、田舎に移ると払拭されるという物語の構造なのだと思うが、にしても何かとうまくいきすぎでちょっと説得力が足りなかったように思う。
冒頭から、語りが雪の声なので、母の花に何か起こるたびに嫌な予感がしてしょうがない。一応、心温まるタイプの話なのだから、もう少し安心して見させて欲しい。
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