第四部は新キャラの品田辰雄。球界を追放された元プロ野球選手だ。
オフシーズンになると、ドラフトで入ってくる新人よりも、解雇されたり引退したりした選手の方が気になって特番を見てしまうオッサンプロ野球ファンには、どストライクなキャラだ。まさに俺得。
品田が現役だったのは15年前、つまり98年頃ということになるのだが、過去の描写が必要以上に古い。この雰囲気はまるで昭和、藤井寺球場での近鉄vs南海戦という感じだ。おそらく、品田シナリオのモデルとなった「黒い霧事件」の時代に合わせたものと思われるが、若いプレイヤーはそんなことは知らないので、純粋に変わった物語として見ているのだろう。
さて、バッティングセンターを起点に品田のサブストーリーが進むのだが、以前から「龍が如く」シリーズのバッティングセンターは難度が高いことで有名。しかも今作ではコースを打ち分けなければならないときている。これはちょっとヤバいのでは、と思っていたら五十嵐コーチの特訓でみるみる簡単に。一振りで人生のすべてを解決するドラマがサクサク進む。さすがは、キャッチボールするだけで地球を救うゲームを作ったセガだ。
ストーリーの都合で、ときにはバッティングセンターを出て屋外の野球場で打つのだが、このときのホームランの爽快感は野球ゲームを越えているかもしれない。
「龍が如く」シリーズでは、有名俳優がCGで出演するのが恒例となっているが、大抵は映画で言うところのカメオ出演といったおもむきで、出番はあまり多くない。ところが品田編の高杉役、哀川翔だけは例外。ずっと出ているしセリフもすごく多い。そして何よりチンピラ金貸しが似合いすぎ。「龍が如く」はゲスト有名人が死ぬ展開が多いけど、死なないようならぜひ次も出てほしいな。