2013年01月31日

「レベルアップ」のゲームデザイン

9784873115634 「レベルアップ」のゲームデザイン。オライリー社から出ているこの本を現在読んでいる最中である。絵が上手くなるための本と誤解する人がありそうだが、海外ではゲームデザインとは企画のことなので注意。

 著者のスコット・ロジャースは、「ゴッド・オブ・ウォー」等を手がけたクリエイター。ゲームの企画者には、過去のゲームをあまりプレイしないタイプの人もいるが、この著者はそうではない。本書を読むと、引かれるゲーム名が非常に多く、日本のゲームも多数出てくることに驚く。しかも、とりあえず例を挙げておきました、みたいな浅いものではなく、仕様の細部の工夫を指摘していくのだから、全部実際にプレイしているのだろう。桜井政博みたいなのが海外にもいたのか、と驚嘆する。

 本書は、理論書ではない。極めて実践的な、ゲーム企画についての実例集である。企画書を書いた後、プランナーは何をするんですか? という質問は、答えが長く多くなってこれまでは大変だった。しかし、これからは「この本を読め」の一言で済む。コピーに偽りなく、ゲーム企画のすべてが一冊で網羅されている。
 洋ゲーの知識が必要ではあるものの、イラストも豊富で非常に読みやすい翻訳なので、ゲーム企画ってどんな仕事だろうという疑問をもった高校生から、ステージ作成のネタ出しに苦心しているクリエイターまで、幅広くお勧めできる好著である。

posted by Dr.K at 20:54 | TrackBack(0) | 馬鹿は黙ってろ! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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