Game*Spark:カプコン川田氏が語る『バイオハザード』の今後「ルーツであるホラーへの帰還が重要」
このインタビューをきっかけに、ファンの間ではいつもの議論が起こっている。「1」は怖かった、最近のバイオはホラーじゃなくただのTPSだ、いやいや「4」は名作だった、シリーズを面白かった順に並べてみよう…、という具合である。
こういう話題になるたびに不満なのが、「コード:ベロニカ」が抜かされること。ハードがドリームキャストな分、マイナーになるのは致し方ないが、内容的には本筋そのものであり、ナンバリングされていないのがおかしいほどのタイトルである。
「コード:ベロニカ」は、システム的には「2」を踏襲、クレアとクリスの複数主人公を取り入れている。マップは大幅にスケールアップしており、長いストーリーが特徴だ。実は、初めて背景が3Dになったバイオでもあり、従来の操作方法でありながらカメラも移動する、独特の演出となっている。部屋移動時には、恒例の扉デモが挟まるが、ドリームキャストはロードが早いので本当は必要ないのだとか。しかし、開発中に扉デモを省いたところ、全く怖さがなくなってしまったので残してあるのだそうだ。
ゲーム的にはさほど新味のない「コード:ベロニカ」だが、私は、従来と質の違う怖さを表現したことを評価したい。何が素晴らしいって、アシュフォード兄妹の描写である。ゲームを進めることで、どんな奴かだんだんわかってくるのだが、狂気に満ちていて寒気がする。本当に怖いのは、怪物ではなくて人間である。場違いなところに、「1」の洋館にそっくりの場所が用意されているのも、ぞわっとした。ドラクエ3でアレフガルドを見つけるようなものだが、ホラーなのでまた別の感慨がある。
なお、ウェスカーが超人化した描写が初めてされるのもこの「コード:ベロニカ」である。これは「5」がつまらなくなった要因でもあるので、その後のバイオにとって功罪半ばするといったところだろうか。