続いて、「パシフィック・リム」のストーリーの素晴らしさを語る。
オープニングから勢いがある。状況説明なんかこれくらいでいいよね! と手短にもほどがある乱暴さでまとめたら、もう出撃。さっそく大バトルで出し惜しみなし。潔いわ。これ、エヴァだったら、まだシンジ君が「乗らないなら帰れ」とか言われてうじうじしてるくらいの時間じゃないか。
実は、アメリカでは1シーズンくらいTVで放映済みで、総集編作ったから映画に持ってきたんだぜ、と言われても信じるくらいのスピード感。
(以下に結末を含むネタバレがあるので注意!!)
そして、物語全体に流れる熱さ。パイロットたちはもちろん、組織が一丸となって勝利を目指しており夾雑物がない。これはハリウッド映画としては奇跡的なことで、人間ドラマとか組織的陰謀とか恋愛模様とか面倒くさいことに足を引っ張られずに、怪獣をプチのめすことだけに集中できる。
ご多分に漏れず、息抜きのコメディパートはあるのだが、それをすべて科学者二人が担当している。この科学者の冒険は荒唐無稽の極みで、現場で適当に作ったような雑な機械で実験を成功させてしまうくだりなどは失笑もの。だが、彼らがいるからこそ、パイロットたちの真剣さが保たれているのだ。
結末に至るまで、サービス精神の塊である。
人類が勝利し、基地のスタッフが沸き立つ、というハッピーエンド。だが、イェーガーは全機失われてしまった。寂しいなあ、と思っていたら、エンドロールで超合金のごときピカピカの雄姿を見せてくれる。
そしてその後、怪獣の死体が映るので、「実は怪獣は死に絶えてなかったという結末か?」と思わせておいてあのオチ。どこまでも楽しませる気満々だ。
和製アニメなどに見られる思春期的な要素が全くないため、若者にはお勧めしにくいが、大人と子供は大いに楽しめるはず。
個人的には、江頭2:50の「エィガ一刀両断」で取り上げてほしい。エガちゃんなら、この映画を的確に評価するだけでなく、バトルシーンを見事に形態模写してくれることだろう。
テーマ曲 10
コクピット 10
絶体絶命度 9
個人的総合 9