2014年04月10日

LEGO ムービー

 この春休み、ファミリー向け映画は「アナと雪の女王」が一人勝ちだが、ちょっとまってほしい。男の子がいるのなら「LEGOムービー」を候補に入れるべきだ。

 CGで描かれたレゴブロックの世界は圧巻。物語の序盤、実際に作ったら何百万個分になるかわからないレゴたちが生き生きと動いているのを見るだけで、お子様の目は釘付けになる事間違いなし。
 一方で、大人の観客を感嘆させるのが、細かいこだわりの数々。本来、CGだったら、レゴには不可能な動きも表現でき、変形も自在のはず。だが、本作はそのような場面を極力見せない。見せてくれるのは、実物のレゴのような傷や汚れ。そして、カクカク、チャカチャカとコマとびしまくるアクション。時折You-Tubeなどで見かける、レゴを使ったストップモーション映像のような味を盛り込んでおり、水、波、爆発などのエフェクトに至ってはアートの域に達している。
 物語も二重三重の仕掛けが施されており、次から次へと展開するハチャメチャなアクションはお子様でも楽しめるが、ギャグ一つをとっても、アメコミものを初めとした過去の映画のパロディが満載であり、家族で観に来たらお父さんが一番喜んでいる、という結果になることは想像に難くない。
 主人公のエメットは規則通りに暮らす平凡な青年。彼がある事件をきっかけに、「選ばれし者」として成長していく、王道のストーリーが展開する。これが他の映画だと、平凡と言いつつも有名な俳優が演じるので無駄にイケメンだったりするのだが、この映画ではレゴなので本当に規格通りのモブ。レゴを使ったことで明確になるテーマ性に舌を巻く。
 そして、この映画におけるヒーローとしての力は、レゴを組み立てる力に集約されており、エメットがマニュアル通りに組み立てることしかできないのに対し、マスタービルダーと呼ばれるレゴ界のヒーローたちはあっという間に何でも作ってしまう。マスタービルダーたちは初めエメットを見下すが、徐々にエメットの力を認め始める。レゴというおもちゃ自体が持つ、見本通りに作るという楽しみ方と、自由に作る楽しみ方とをきちんと物語に表現してあるのだ。そしてとどめに終盤のあの展開である。レゴのすべてを語りつくした、レゴファンを泣かせる物語に仕上がっており、レゴのビジュアルを借りて適当に作った映画などでは断じてない。
 私は子供の頃にレゴを卒業してしまったクチだが、あの宇宙飛行士は持っていた記憶があり、なつかしさで涙がちょちょ切れそうになった。テーマ曲の通り、レゴを愛する者にとっては「すべてはサイコー」な映画だ。

懐古度 9
男子力 9
レゴ愛 10
個人的総合 8

posted by Dr.K at 01:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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