2014年08月13日

レナードの朝

 ロビン・ウィリアムズの突然の訃報を聞き、これを記す。

 「レナードの朝」は、私の人生において暫定ベスト1となる映画。何度見ても涙なしには観られない。最初に印象に残るのは、患者レナードを演じるロバート・デ・ニーロの迫真の演技。しかし、見返してみると、医師セイヤー役のロビン・ウィリアムズの功績が大。彼が、ニコニコと穏やかに受け止めるからこそ、映画の品が保たれているように思う。
 新薬の力で、30年の眠りから覚めたレナードら患者たち。喜びもつかの間、薬は効かなくなり、徐々に元に戻ってしまう。物語の最後で、セイヤーは、「一度命を与えてまた奪うのが親切なことかい?」と自問する。何もしない方がよかったのではないだろうか、と。
 看護師のエレノアが答える。「命は与えられ、奪われるものよ」 普段のエレノアが言いそうにないセリフだ。だからこそ、そこに核心があると感じる。

 人は生まれてから時間をかけて様々なものを得、死ぬまでに徐々に失っていく。誰もが避けて通れない普遍的な問題を、珍しい病気という設定を借りて、極端な短期間に縮めて見せたのがこの物語なのだ。類似のテーマの作品としては、「アルジャーノンに花束を」「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」が挙げられるが、どれが一番しっくりくるか、ぜひ見比べてみてほしい。
 最後に、本作の原題は「Awakenings」。レナードだけでなく、セイヤーら医師たちの気づきも含んだ題と思われるが、邦題にはそういう深みがなくて惜しい。

診察シーン 10
目覚めのシーン 10
ダンスシーン ∞
個人的総合 10

posted by Dr.K at 17:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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