2014年08月21日

「BROTHERS」、プレイヤーは誰だ その2

スパイク・チュンソフト,インディーズセレクション3作品を期間限定で48%OFF

 「ブラザーズ 二人の息子の物語」、クリアしました。とんでもない名作です。あと数日、セール期間ですので、引き続きおすすめしておきます。

 ゲームを終えてから、ネットで様々な人の感想を読みました。そして満足しました。プレイせずに評価するような人が皆無だったからです。

Brothers_2

 現在、ゲームのプレイ動画が広まり、ストーリーを知るだけならそれで充分、という空気が一部にあります。ところが、「ブラザーズ」は違います。動画で見ても、なるほど、で終わってしまい、大した感慨もわかないはずです。本作は、ゲームでしかできない方法でストーリーを伝えており、それを受け取ることができるのは、プレイした本人だけなのです。この一瞬のために、ここまでの内容が作られていたのか! と気づいた時の驚きを、ぜひ皆さんにも味わってほしい。

・「Nights」の最終ステージ
・「ブレイブリーデフォルト」の終章への入り方

 これらのキーワードにピンとくる方は、特におすすめです。
 以下は、ネタバレ分析とエンディング考察になりますので、これからプレイするつもりの人はなるべく見ないでください。

 旅の最後に待ち受けていたのは、予想外の悲劇でした。兄が帰らぬ人となってしまいます。その喪失感を、このゲームはゲームだけの方法でプレイヤーに突き付けます。
 弟は一人で薬を取に行きます。操作すると、今までにない心細さを感じます。ここまで、両手を駆使してきたプレイヤーにとって、右スティックだけとなる操作は違和感以外の何物でもありません。物語としては、弟を失う、でも話は成立します。しかし、それではこの感覚は出ません。なぜなら、左スティックだけでゲームする、なんてのは他のゲームでは普通のことだからです。
 弟は、兄を埋葬します。普通ならデモとなるだろうこの部分を、ゲームとして操作しなければなりません。動かしながら、プレイヤーは弟の気持ちに寄っていき、重い体験となります。何しろ本当に操作が重い。
 弟は故郷へ戻ります。ここまでの積み重ねを踏まえ、奇跡の一瞬が訪れます。ああ、そうだったのか! ここだけは伏せておきましょう。

 エンディングで、弟の背後を、グリフォンが山の方へ飛んでいきます。単なる結末の演出かもしれません。しかしなんだか気になります。
 このグリフォンは、旅の終着地点から故郷まで弟を乗せてくれました。なぜ乗せてくれたのか? 旅の途中、兄弟が鳥かごのグリフォンを助けたからです。でもちょっと待ってください。鳥かごのグリフォンは、兄弟を乗せて飛んだあと、死んだはずです。それでは、弟を迎えにきたグリフォンは何なのでしょう?
 あらゆる病気を治すことができる薬があるこの地には、何か聖なる力があるのではないでしょうか? グリフォンは死んだあと復活し、弟を助けに来たのかもしれません。
 エンディングで山へ向かったグリフォンは、いつの日か兄を乗せて帰ってくる、そんなふうに思えてならないのです。

posted by Dr.K at 12:54| Comment(5) | TrackBack(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつも拝読しております。
普段からゲームは遊んでいるのですが、どうしても私が遊ぶものはメジャータイトルに偏りがちになっています。本当はもっとアンテナを張る努力をしないといけないと思いつつ…笑。
珍品堂さんがこれまでプッシュされたものは私も実際に遊んでみてどれも楽しく、また新しい世界を発見でき、さすが業界の方が評価しているだけはあるなぁと感心しております。
そう言う意味でこちらのブログは私にとって大変ありがたい存在です。
今回紹介されたブラザーズも今日早速DLしてみようと思います。
Posted by at 2014年08月22日 13:36

そういえばあの時グリフォンは死んでいましたね!

という訳で、この記事の前半を読ませていただいてから、
おかげさまで半額ダウンロード&プレイができました。
ありがとうございます。

確かに良い作品でした。
埋葬シーンでは「こういうことをさせていいのか!?」
「いやだからいいんだ!」と驚きました。
ラストのアッ!と言わせる演出も素晴らしかったです。
これを直接言わず「ゲームでしかできない方法」「奇跡の一瞬」と
うまく伝えていることが凄いです(笑

ところで、、
このゲームは人によって様々なプレイ作品を思い出させるように感じました。
例えばICOであったり、リブルラブルであったり・・・
私が強く彷彿した作品はアウターワールドでした。
新しい表現で描かれた異世界を、
トライ&エラーで進んで行くストーリーが好きでした。
Posted by ぬむ at 2014年09月22日 01:47
ゲームクリア、おめでとうございます。
このゲーム、「ヨルダも操作するICO」と説明されることがありますね。「アウターワールド」はものすごく難しいというイメージがあるのですが、確かに雰囲気はあるかもしれません。
Posted by Dr.K at 2014年09月22日 09:41
最後の文章がとてもしっくりします。
Posted by きく at 2015年07月30日 15:05
ありがとうございます。見たままに受け止めるとちょっと悲しすぎるため、こんな想像をしてしまいました。
Posted by Dr.K at 2015年07月30日 17:28
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