2014年09月02日

イシイジロウ2勝1敗。「タイムトラベラーズ」

 イシイジロウは、私の中では絶対的なエースという位置づけのゲームディレクターだ。「3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!」「428 封鎖された渋谷で」と、ぱっと見は面白くなさそう(←失礼!)、しかしやってみると大傑作、という完封劇を2本連続でやってのけた。「タイムトラベラーズ」は、そのイシイジロウがレベルファイブに移籍して、初めてリリースしたゲームだ。

 内容は、5人の主人公によるザッピングを軸としたアドベンチャーゲームで、システムは「428」とほぼ同等のもの。アニメ風のCGと人気声優の起用で、いつになくゲームファンに受けそうな第一印象だ。
 だが、やってみると、いつになくパッとしなかった。以下に理由を述べる。
 まず、ゲーム的な物足りなさ。「街」や「428」には、ザッピングのもつれをほどいていくパズル的な歯ごたえがあったが、「タイムトラベラーズ」は簡単すぎる。
 次に、CGの中途半端さ。バスジャックや爆破シーンなど、派手な場面を盛り込んでいるのだが、それをやるには、3DSでは力不足。ハイエンド機で、テレビの大画面で見られればなあ、と思う所が多かった。キャラのアクションも中途半端。映画やアニメと比べてしまうとどうしてもしょぼい。いっそのこと、「逆転裁判5」のように、立ち絵の代替物として3Dを使ってみました、と割り切ってくれた方が違和感がなかったように思う。
 物語とビジュアルの相性にも疑問がある。ルサンチ☆マン編は、痛いオタクが続々と登場するのだが、これがCGになると正視に耐えない。親父ギャグも多く、お寒い感じがする。実は、イシイジロウ作品としては毎回のネタなのだが、「428」ではこれらの表現と実写との相性がよかった。だが今回はCGのため、他の人物はアニメ顔のイケメンと美女ばかりになり、どうにも馴染んでいない気がする。
 クライマックスを終えると、種明かしとも言える、みこと編が始まるのだが、はしょられていてがっかり。5人と絡みながら、行ったり来たりの展開を楽しめると思ったのだが…。色々なコスチュームの由来も語られず終わった。
 普通、というのはエースの仕事としては物足りない。よって、本作を1敗とカウントする。

Ttphone

 最後に、クリア後のゲームとして、「TTフォン」がある。誰もが「ラブプラス」みたいな、と評するが、ちょっと待ってほしい。イシイジロウには、「Little lovers」という美少女育成ゲームの実績がある。Windows95用のこのゲームは、実時間と連動しており、システムや内容に「TTフォン」との類似が見られる。「TTフォン」は、「ラブプラス」より遥かに先に実時間コミュニケーションを手掛けていたイシイの、ささやかな自己主張なのかもしれない。

posted by Dr.K at 14:39| Comment(2) | TrackBack(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
確かに「ふつう」としか言えない内容でしたね…。

ザッピングも少ないし、五人揃ってからはタイムストップ解放条件の因果関係が無さすぎて、自分で考える余地なく総当たりというのもゲーム的にどうなのって感じでした。

次回作に期待ですかね。
Posted by GON at 2014年09月04日 00:39
記事では触れませんでしたが、次回作はこれです↓

<a href="http://www.majinstation.jp" rel="nofollow">http://www.majinstation.jp</a>

かなりキワモノな感じですが、どうでしょうか。
Posted by Dr.K at 2014年09月04日 07:40
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック