2014年09月08日

LIFE!

 ベン・スティラー主演作品としては最高傑作。(とは言っても、他は「ナイト・ミュージアム」くらいしか観てない) しかし、一つ注意事項が。洋画がTVで放送される際には、たいてい吹替えになってしまうが、本作の吹替えは評判が最悪。よって、劇場またはソフトで、字幕で観るべし。

 主人公のウォルターは、雑誌「LIFE」の写真整理係。地味な仕事に日々を捧げる独身中年男性だ。同じ会社のシェリルに好意を寄せるが、声をかけるどころか、出会い系SNSを使ってウインク(いいね! みたいなもんか)を送るのも躊躇する内気さ。だが、冴えない日常に反比例するかのように妄想力が豊かで、想像の中ではヒーローという、ちょっと危ない奴だ。
 雑誌の廃刊が決まり、編集部の人員も大幅にリストラという方針が発表される中、「LIFE」最終号の表紙として指定された写真のネガが行方不明になる。ウォルターは、責任を果たすために、カメラマンを探してグリーンランドへ飛ぶ。
 物語の序盤、ウォルターの妄想は、CGを使ったベタな演出で表現される。唐突に妄想シーンに入り、はっと現実に返る。それが何度も繰り返されるので、ウォルターがついに飛行機で旅立つときは、ひょっとしてこれも妄想? と疑わせる映像になっている。旅先でウォルターを待ち受けるのは、想像を絶する実体験の数々。これらが、ロケを中心とした素晴らしい風景として撮れており、やっぱり本物は妄想とは違う、という説得力を持った映像になっている。
 だがよく考えてみると、娯楽映画とは、CGなどを駆使して、観客に一時の妄想を見せる、というのが使命であり、だとするとこの作品は、映画の自己否定という気がしなくもない。長い旅の末に、ようやく出会えたカメラマンのショーンは、撮影すべき決定的な瞬間を、自分の目で見たいから、と撮らずにおく。これもまた映画の自己否定という側面がある。
 オチがあまりにかっこよすぎるが、監督・主演の役得ということで特別に許すことにしよう。

主人公の好感度 8
カメラマンの好感度 9
SNS管理者の好感度 10
個人的総合 7

posted by Dr.K at 20:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック