2014年10月28日

ゾンビ・リミット

 "シッチェス映画祭"ファンタスティックセレクション2014の中の一本。こんなのだから、知名度もなく、上映館も上映回数も少ない。当ブログで最もマイナーな映画となることは間違いない。かく言う私も、友人に誘われて観たのであり、事前の知識など全くない。

 邦題から想像される内容と大いに隔たりがあり、良かったような悪かったような。以下は結末を含むネタバレなので一応隠すが、実際に観た人も、これから観る人もほとんどないだろう。

 物語は、ケイトの回想から始まる。彼女は、父が感染によりゾンビ化し、母を失った過去がある。出し惜しみのないオープニングに、ゾンビものとして期待が高まる。
 そして現在。医学の発展により、感染者がすべてゾンビとなる時代は終わった。素早く薬を投与することでゾンビ化を免れ、生還した者をリターンド(←これが原題)と呼ぶ。彼らは完治したわけではなく、薬を投与し続けなければゾンビになってしまう。ケイトは成長し、リターンドを担当する医者となった。
 いつゾンビ化するかわからない者が市民に紛れている、という状況は社会不安を引き起こし、反リターンド運動が盛んになっている。実はケイトの彼氏のアレックスもリターンドであり、その秘密を古くからの友人であるジェイコブ夫妻にだけ打ち明ける。これはもう、アレックスがゾンビ化する流れだな。
 ある夜、ケイトが病院で宿直していると、物音が。さては患者がゾンビ化したな! と思ったらそうではない。反リターンドが武器を持って押し入り、患者を殺していったのだった。
 リターンドの生命線である薬が、材料の不足により生産できなくなる。政府は、材料となるタンパク質を人工的に作る実験中である、と報道。いよいよゾンビが大発生しそうだな! 広がる不安の中、政府はリターンドを隔離収容すると発表。ケイトは薬の蓄えを持ち、アレックスとの逃避行へ。ジェイコブたちがそれに協力する。
 ケイトは、売人のもとへ薬を受け取りに行く。ところが売人が殺されている。現場で見覚えのあるつけ爪を見つけ、ケイトはアレックスに電話する。アレックスは、ジェイコブによって薬の蓄えが奪われたことを知る。実は、ジェイコブの妻もリターンドだったのだ。
 ケイトは、最後の手段として、勤務先の病院を目指す。その間に、アレックスは自らを拘束して最後の時に備える。病院の先生のはからいで薬が手に入るが、喜びもつかの間、薬は奪われてしまう。犯人は、かつてケイトが治療した子供の親だった。
 策が尽き、ケイトはアレックスと最後の時を過ごす。アレックスの望み通り、ケイトは彼を射殺する。ゾンビにならないし、戦わないのか… 町では花火が上がっている。人工タンパク質が完成し、数時間後には薬が配られることになったらしい。残酷な状況に、くずおれるケイト。う〜む、パンデミックもないのか。
 その後、郊外の家に一人で暮らすケイトの姿があった。もうすぐ息子が生まれるのだという。彼女の視線の先には、地図にとめられたジェイコブたちの写真があった。よし、続編では2代目がゾンビパワーで復讐だな!

 以上のとおり、極めて真っ当な物語なのだが、何しろこの邦題なので、ゾンビ大発生のパニック映画を想像してしまい色を付けた部分のような的外れな想像が頭をよぎって困った。作中登場ゾンビはわずか2〜3体という肩すかしぶり。変な映画を集めました、と言わんばかりの「シッチェス映画祭」のPRに異議を申し立てたい。

話のスケール 2
話のまじめさ 9
ゾンビの量   1
個人的総合  6

posted by Dr.K at 14:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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