2014年12月15日

「ブランカニエベス」結末に新説

 「ブランカニエベス」を学生に見せて、分析させたところ、どこのレビューでも言っていない新説が飛び出した

以下、結末についてのネタバレあり

問題:ラストシーンで流れた涙にはどのような意味があるか?

一般的な答え:
・小人のキスの後であることから、カルメンがこれから目覚める予兆である、という解釈。
・カルメンが、二度と目覚めることがない己を悲しんで涙を流した、という解釈。
・カルメンの悲劇的な運命を象徴した映像で、観客の涙のメタファーとする解釈。(←筆者はこの説が好き)

 ネット上のレビューを読んでまわったところ、だいたいが上記のいずれかに含まれる理解をしている。ところが、その学生の解釈は違った。

 作品の中盤、興行師がカルメンと契約をかわす。そこには「独占的に」「永遠に」という条項が書かれており、結末でカルメンが見せ物となる展開の伏線となっている。
 学生の説はこうだ。見世物小屋のカルメンはすでに死んでいるのだが、契約によって魂がこの世に縛り付けられている。故に涙を流した、というのだ。興行師は一種の悪魔であり、契約書が魔術的な要素を含むというのだ。なるほど、言われてみれば、ひげ面の興行師はそのように見えなくもない。見世物小屋での恐ろしい司会ぶりは、演技ではなく悪魔の本性だったのだな。
 しかし、この説を採るとすると、カルメンは、リンゴの毒と契約書とで二重に呪われていることになる。涙も流れるはずである。

 学生の柔軟な発想にはいつも驚かされる。

posted by Dr.K at 20:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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