2015年01月02日

光の書と影の書 「レジェンドパソコンゲーム80年代記」

 年末に出た、「レジェンドパソコンゲーム80年代記」を読了。平成生まれのゲーマーなどお断り、昔ゲームをやっていたオッサンを全力で釣りに来ている本だ。

 80年代、パソコンゲームはかなり特殊な市場を形成していた。Windowsのような共通プラットフォームがなく、各社がまちまちな性能のPCを発売しており、遊びたいゲームが自分のPCに来るかどうかが大問題となった。
 本書の素晴らしい点として、当時の雑誌の写真が多数載っていることが挙げられる。PCが欲しくてたまらなかった私にとって、ハードの広告ページは、特に思い入れも強く懐かしい。惜しむらくは、全ページがモノクロなこと。貴重な資料だからこそカラーで見たかった。

 全体としては、ゲームリスト → 時代背景の解説 → 代表的なゲームの紹介 というオーソドックスな構成。記述は短く、当時のゲーマーをうならせるような新情報が載っているわけでもない。
 では、このような本にどんな意義があるのか、と言えば、存在を忘れていたものを思い出させてくれる、ということに尽きる。何しろ、最初に紹介されるのが「タイムシークレット」。お〜、あったあったボンドソフト。完全に忘れてたわ。ネットで探せば、いくらでも深い情報が見つかる昨今だが、それでも、検索ワードがなければどこにもたどり着けはしない。こういう本をきっかけにして、レトロゲームのサイトをたどってみるのはどうだろうか。かなりの確率で当ブログが含まれそうな気もするが(笑)

 この本が喚起するのは、以上のように、思い出の「光」の部分。だが、光あるところに影あり、だ。

Book_tatsujin

 実は、似たような構成の本を、私はもう一冊知っている。それが「パソコンゲームの達人」である。91年に発売されたもので、直前までのパソコンゲームの歴史を振り返る内容だ。
 だが、ただ振り返っては終わらない。クソゲーは容赦なく叩き、高度化・複雑化するゲームを否定し、美少女ゲームは気持ち悪いと切って捨てる。挙句の果てに、オタクなユーザーへの嫌悪を露わにする。そして、全盛期に突入しつつあった家庭用ゲーム機については、「パソコンゲームをコピーで手に入れた方が安上がり」などと身も蓋もないことを言うのである。

 これが同じ時代、同じ内容を書いた本だというのだから面白い。「レジェンドパソコンゲーム80年代記」を光の書とするなら、こちらは間違いなく影の書。読み比べてみるのも一興だ。

posted by Dr.K at 21:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 馬鹿は黙ってろ! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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