2015年01月06日

インターステラー

 仕事が始まったら、長い映画をゆったり楽しんでなどいられない。そこで、学校が冬休みのうちに観ることにした。平日朝イチに行ったら、なんと観客10人以下。作中の宇宙飛行士のような寂しさだったが、宇宙と映画館の暗闇がシンクロして没入感が素晴らしい。
 それにしても、ゲームが3時間で終わると「短すぎる」と文句が出るが、映画が3時間だと超大作と言われる。理不尽だ。
 観終わって拍手喝采。これは、「2001年宇宙の旅」を現代にリブートした野心作だ。

●リアルな世界観
 主人公のクーパーは、元は宇宙飛行士だったが、現在は農場で働いている。気候が悪化して食糧危機に陥り、人々は宇宙開発どころではなくなったのだ。
 昔のSF作品では、宇宙開発は無邪気に賞賛されていた。米ソが宇宙開発によって科学力を誇示しあっていたような時代ならそれでよかった。だが、現在は人々の興味は経済のみに向いて、宇宙には向かわない。そういう時代の空気を、作品の中にうまく取り込んでいると感じた。

※以下にネタバレを含むので、未見の方は注意

●静かな滅亡
 クーパーはNASAへ導かれ、人類が滅亡の危機にあることを知る。そして、人類が移住できる惑星を探すプロジェクトに加わることになる。
 これまで、映画の中で、人類は何度も滅亡の危機を迎えた。それらは、大災害や戦争など、派手なパニックを伴ってやってきた。
 しかし、「インターステラー」は違う。軍はとうに解散した。田舎の農場は、農機具が一部自動化されたりはしているものの、現在と何も変わらない。人々は環境の悪化を嘆きつつ、どうにか日常を送る。人々に知られず、ゆっくり、静かに滅亡の時が近づいている。
 この表現は、異常気象が日々ニュースになっている現在と地続きのリアルさを感じさせる。

●ワームホール
 クーパーたちが目標の惑星へ行くには、ワームホールを抜ける必要があった。ここで、ロミリーがワームホールを解説するが、

Ucyuukaitaku

「のび太の宇宙開拓史」のこの説明と全く同じであった。藤子F先生は偉大である。
 また、ワームホール突入のビジュアルは、「2001年宇宙の旅」のスリットスキャン映像にわざと似せてあった。

●TARS
 あまり未来を感じさせない設備で大部分が占められているこの映画にあって、突出したテクノロジーなのが、TARSらロボット達。モノリスのようなシンプルなボディを多彩に変形させて、あっと驚く活躍をする。何よりすごいのは、ロボットのくせに冗談が達者なこと。実は、「彼ら」が作ったんじゃないか。

●マン博士
 マン博士を救出してから、畳みかけるような危機の連続となる。危険なのは宇宙ではなく、人間である。
 ひどい奴だったが、宇宙の果てでようやく目的地に着いて、はずれだからそこで死ね、と言われた立場については大いに同情の余地がある。
 なんか見たことのある役者だな、と思ったらマット・デイモンだった。太って劣化してる!

●ブラックホール
 ブラックホール突入後の展開に唖然としたのは、若い人だろう。「2001年宇宙の旅」を経験済みの私は、あのわけのわからない結末をこう整えたか! と感心した。

 親子の愛に感動した、という感想は山ほど書かれていそうなので省いた。私としては、SFガジェットがたくさん詰め込まれていて面白いよ! と言いたいのでこんな文になった。

地球映像 7
宇宙映像 9
地表映像 5
個人的総合 8

posted by Dr.K at 23:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック