2015年02月14日

繕い裁つ人

 映画「繕い裁つ人」を、両親と観てきた。そろって映画を観るなど、30年ぶりくらいか。なぜこの映画を観ようとなったのかと言うと…

 主演が中谷美紀。現在、TVドラマ「ゴーストライター」でも熱演が話題になっている。そのほか、「おおかみこどもの雨と雪」で名前を知り、「小さいおうち」で銀熊賞を獲った黒木華。回鍋肉のCMから「思い出のマーニー」まで縦横無尽の杉咲花。新旧演技派の競演が見ごたえありそう、というのが私が興味を持った理由。
 母は、若い頃は洋裁の達人だったので、洋裁店が舞台となるこの映画に惹かれた。作中では、主人公がクラシックな足踏みミシンを使う場面が印象的だが、もう少し新しいモデルのものがわが家にもあった。
 父は、かつての職場がロケ地として使われていると知り、この映画を観たがった。本作は、全編が神戸をはじめとする阪神間で撮られており、馴染みの景色がうまく使われているのに驚く。

 職人的な個人の仕事が、大量生産の安価な製品に押しのけられ、後継者もいない、などという話は今では見飽きた。本作の新味は、そのような仕事を受け継いでしまった後継者が、これからどう生きるか、というテーマに踏み込んだところにある。
 作中で気になったのは、先代の葬式のシーン。故人を慕うお客たちが、この店で仕立てた服を着て並び、霊柩車を見送る。本来であれば、先代の仕事の素晴らしさ、服の美しさを伝える場面であるはずだが、過度のスロー演出により、何やらホラーのような映像になってしまった。そう言えば、日本人形なども、よく出来ていればいるほど怖い印象につながりやすい。こだわり過ぎたゆえの失敗か。

風景美 9
食べ物 8
男性不在度 8
個人的総合 5

posted by Dr.K at 10:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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