2015年05月12日

寄生獣 完結編

 予想通り、波風立てず原作と同じに終わったが、前編よりも完成度が高かった。

 完結編では、市役所でのパラサイト狩り、後藤との対決など、アクション的な見せ場が豊富。ところが、それらがストーリーの山場になっていない。クライマックスとなったのは、田宮涼子が赤ん坊を託すシーン。戦いよりも人間ドラマを静かに印象付ける作りで、これは原作の精神にも合っている。
 思えば、前編も、母を乗っ取ったパラサイトとの戦いがクライマックスになっており、全体を通じて、親と子こそが人間の基盤、という主張が底に流れている。パラサイトたちは、個としては強いが、親も子も持たない。
 この映画の感想を言う場合、まず橋本愛のラブシーンを語ることがお約束になっているようだが、全面的に乗っかっていくと、奥ゆかしいというか古風というか、とても貴重なものを観たように思った。最近は洋画のオープンなラブシーンしか観ていなかったので、そんな風に思ったのかもしれない。予想外に橋本のガタイが良すぎて、染谷が小さく見えるのには驚いた。この場面が要らないのではないか、との意見も聞くが、とんでもない話で、原作でも非常に重要なシーンなのは読めば歴然、人間とパラサイトとを分かつ象徴的な場面なのである。映画ではこのシーンへのつなぎ方がやや強引なのだが、そこはまあ時間の制約ということで。
 BUMPによるテーマ曲は、一部で不評なようだが、私としては、きちんと内容に合わせて新曲を作詞してくれただけでも御の字。パンフレットでは、原作の岩明均がコメントを寄せているが、インタビュアーの質問をことごとく受け流して大人な対応を見せていて面白い。

深津絵里演技力 10
新井浩文演技力 8
浅野忠信演技力 5
個人的総合 7

posted by Dr.K at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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