2015年06月28日

シェフ 三ツ星フードトラック始めました その2

 シェフの一日は料理の下ごしらえから始まる。軽快な包丁さばきとともに、バックにラテン系の音楽が流れだす。開始10秒でノリノリである。
 これまで、数々のハッピーエンドの映画を観てきた私だが、「シェフ」のハッピーさは群を抜いて徹底している。

(注意:以下ネタバレあり)

 カール・キャスパーは、オーナーとの意見の対立、それに加えて不用意なツイートが炎上したことにより、シェフの職を失う。
 斬新な料理で評論家を迎え撃つつもりだったが、それもできない。カールは、自宅でコース料理を作る。おそらく、評論家に食べさせるつもりだったものだろう。直後、レストランへ怒鳴り込む展開から見ても、彼の心中には悔しさが渦巻いているはずだ。だが、軽快な音楽が流れ、色とりどりの料理がスクリーンいっぱいに広がる映像は、ハッピーそのものだ。
 失職したカールは、一人息子のパーシーのために食事を用意する。ところが、そんな失意の状況であってもラテン系の音楽がかかり、料理はいちいち美味そうだ。カールの料理への愛がいささかも揺らがないことが伝わってくる。
 カールは、妻のイネズと離婚しており、息子とは時々会うだけだった。カールに職がなく、息子が夏休みになることから、イネズはマイアミへの里帰りを提案。マイアミでは、イネズの父と会うのだが、元妻の父と会うなど、相当気まずい状況のはず。ところがその場で食べたキューバサンドが美味い。これがカールの転機となる。
 屋台経営のアドバイスをもらうため、カールは経営者のトニー・スタークいや違ったマーヴィンを訪ねる。彼はイネズの元夫、日本のドラマだったらややこしい事になりそうだ。だが、この男、死の商人をやめて少しは善人になりたい、と、カールに気前よくフードトラックを提供する。(一部嘘)

 次から次へと良い方へ話が転がり、度を越したハッピーエンドへなだれ込む。しかし、そのご都合主義に観客が白けることはない。美味しい料理と、仕事への真摯さと、ラテン乗り。これらがあわさった時、楽観的な世界が確固たるものとして感じられるのだ。
 最近ぱっとしない、と思っているあらゆる人に勧められる楽しい映画だ。

親子愛  9
美女度  9
飯テロ度 10
個人的総合 9

posted by Dr.K at 12:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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