2015年08月14日

「Everybody's Gone To The Rapture -幸福な消失-」その2

 クリアしました。エンディングまで4時間といったところでしょうか。無人の町を舞台にしたアドベンチャーゲームということで、「MYST」を思い出しましたが、あのような難解なギミックは一切ありません。光の球についていけば、誰でも最後までプレイできます。裏を返せば、ゲームとしての歯ごたえは皆無。

Egttr02 本作を楽しむためには、プレイヤーの能動的な働きかけが必要です。
 例えば、隅々まで歩き、景色のいい所ではスクリーンショットを撮る、なんてのはいい楽しみ方です。このゲームでは、光の球がガイドしてくれるところ以外にも、たくさんのイベントが隠されていますから、発見という見返りもついてきます。
 ストーリーに関しても同じことが言えます。なぜ人々はここから消えてしまったのか。謎が提示されているわけですが、プレイヤーが見られるのは事件前の出来事の断片。時系列もばらばらです。あらかじめ言っておくと、エンディング直前での種明かしやまとめは一切ありません。ですから、流されるままにクリアすると、なんだかよくわからなかったな、で終わってしまいます。しかし、メモをとるなどして、プレイヤーが自ら情報を整理しながら進めれば、物語が組みあがっていく快感を味わうことができます。
 そのためにお勧めなのが、字幕を表示すること。過去の断片は、光の幻として現れるため、人物が見分けられません。字幕には名前が表示されるため、誰がどんな行動をしたのか、追跡する手掛かりになるでしょう。

 以下は、クリアした人向けのネタバレ考察です。

Egttr03

●襲来
 人々の間で、異様な、きれいな空が何度か話に上っています。このとき、〈何か〉が降りてきました。それが光の球なのかもしれません。球は、プレイヤーだけに見える存在ではなく、(天文台だったかな?)写真にもおさまり、目撃されています。

●感染
 人々は体調を悪くし、出血などの症状が出ます。インフルエンザと説明されましたが、医者はそうではないことに気づいています。さらに、鳥や牛も死んでいきます。
 町のあちこちにある血痕は、一見怪物の存在を匂わせますが、どうやらミスリードで、病気による出血や村人同士の諍いの跡のようです。そして、徐々に人々が行方不明になります。

●隔離
 天文台のケイトとスティーブンは、それが〈何か〉のせいだと知っていました。感染経路を電話線と突き止め、町は隔離されます。二人はこの事件に責任を感じています。おそらく、信号を宇宙に送るなどして、〈何か〉を呼んでしまったのだと思われます。

●攻撃
 スティーブンは、感染を広げないために、町を電気的に遮断したうえで、政府に爆撃を依頼します。主要な人々の記憶が、飛行機を見たところで途切れているのはそのためです。町には破壊の跡がありません。神経ガスなどの手段を使ったのでしょう。遺体がないのは、光の粒子となって消えたからです。

●対話
 一方ケイトは、〈何か〉とのコンタクトに希望を託します。〈何か〉には侵略等の悪意はなく、解決の道があるのではないか、と考えたのです。〈何か〉の持つパターンは、蝶の羽のような形でした。もしかしてこのゲーム、「夢見館の物語」の続編だったのでしょうか。ケイトもまた、光となって消えていきます。

●携挙
 最初の登場人物として、ジェレミー神父がおり、信心に関する対話が行われることからも、キリスト教が背景なのは明らかです。そもそも、タイトルがラプチャー(携挙)。携挙とは、世界の終末に、キリストが手を差し伸べ、神のもとへ人々の魂を連れていくという予言。このゲームは、その予言が実際にはどのように起こるか、を見せたものであり、だからこそ「幸福な消失」であるわけです。「バイオショック」とは何の関係もありません!

●自己
 最後に残る謎は、プレイヤーが一体誰なのか、ということです。事件を調べている記者でしょうか。それとも、爆撃の後を見に来た政府関係者でしょうか。おそらくどちらでもありません。
 画面は一人称なのですが、水やガラスに反射しても、自分の姿がうつりません。イベントの見え方も不自然ですし、ラジオのチューニングを合わせるかのようなイベントへの入り方もおかしいです。これらから、主人公は光の球に近い存在ではないかと推測できます。
 しかしながら、高速で飛び回る光の球と異なり、歩いて上り下りしなければならないあたりはとても人間的です。そう言えば、この町では、名前も出なかった行方不明者がたくさんいます。まだ天に昇っていない誰かの魂が、故郷をうろうろしている、ということなのかもしれません。

posted by Dr.K at 11:50| Comment(2) | TrackBack(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
妊娠してたレジーの光の玉にだけ小さな光の玉が寄り添っていたことを考えると、あれは当人の魂かなにかなのかなと思います。
しかし、レジーが成仏?するのはなぜレイチェル及びその場にいた人々が消失するのを描いた瞬間なのか、なぜレジーの消失が描かれるのはスティーブンの光の玉と行動しているときなのかなど、本当に謎が多いゲームです。
Posted by at 2015年08月15日 15:03
レジーは、3人目くらいにクリアしたのですが、球が増えたのはここまでにクリアした人数分なのか、とか思ってました。
レジーの最後は駅でしたっけ。あそこだけ夜にならないんですよね。謎が多いです。
Posted by Dr.K at 2015年08月15日 22:44
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