2015年12月05日

水木サン、お元気で。

 水木しげるの訃報を聞き、不思議な感覚におちいった。あの年齢なら充分長寿、大往生と言えるのだが、心のどこかで水木しげるだけは当分死なないという先入観があり、拍子抜けしたような、変な気分だ。

Yuureikanchou

 追悼の記事は数々あれど、その多くはやはり鬼太郎の作者という紹介のしかただ。そこで、当ブログではちょっとひねった水木しげるの活躍を紹介したい。
 まずマンガであるが、妖怪ものに負けない名作として、戦記ものの中から文庫版「幽霊艦長」を挙げる。水木しげるの描く妖怪は、どこかとぼけた味があって、怖さに特化することがないのだが、その同じ筆致で、自らの戦争体験を描くとシャレにならないおぞましい世界が生み出されるのだ。

Daisensou 次に映画。「ゲゲゲの鬼太郎」の実写版もあるが、ここは当ブログでボロクソにけなした「妖怪大戦争」を優先すべきか。
 三池崇史監督による大娯楽映画であり、神木隆之介の子役時代を記録した記念碑的作品であり、ナイナイ岡村隆史が映画界に残した最大の功績でもあるのだが、それらはひとまず置いておこう。
 結末付近で、水木しげるが妖怪大翁として出演し、

「戦争はいかんです、腹が減るだけです」

と名セリフを残しているのが素晴らしい。

48

 最後はゲーム。発売されるやいなやクソゲー旋風を巻き起こした「四八(仮)」に、水木しげるが出演し、さらには短編物語まで提供していることは記憶に新しい。え、そんなの覚えてないって? 俺は水木先生目当てで予約して定価で買ったんだよ! 本当にクソゲーなので、追悼の意味で再びプレイしようなどと思ってはいけない。

 水木先生を悼むのに涙は似合わない。今頃はおそらく、南の島でかつての戦友や、現地人の親友や、妖怪たちと楽しく語らっているに違いないからだ。あちらでもどうぞお元気で、水木先生。

posted by Dr.K at 19:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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