紅白歌合戦が、最低の視聴率だったとのこと。無理もない。もともとは、その年を代表する歌が集まるイベントだったが、最近は、時代遅れの歌手による懐メロ大会という色が濃い。
私もほぼ流し見なのだが、Perfumeだけは別。毎年気合の入ったステージ演出で、最先端の技術を披露してくれる。
●2013年
曲は「Magic of Love」。
ここで使われたのが、プロジェクションマッピング。空間や建物に映像を投影するのは、各地のイベントで見かけるようになったが、それらは静止物。このライブでは人体へ投影している。ダンスが正確でないときれいに映らないわけで、これを生放送でバッチリ決めるのはさすがPerfumeなんである。
●2014年
曲は「Cling Cling」。ダンスに合わせて、光る球が舞っている。きれいだな、これCGかな、と思っていたら…
最後に、三人が球をキャッチ! ドローンで実際に飛ばしていたことが判明する。あんなに多数のドローンを、正確に遠隔制御で動かせるとは、と技術者の間では話題騒然となったステージだった。
●2015年
曲は「Pick Me Up」。スクリーンにうつるCG映像と、ダンスが連携しており、これだけでもPerfumeらしいステージだったが。
後半から、カメラワークがすごいことに。PerfumeとステージのすべてがCGで描かれ、それが激しく動いているのだ。しかも、切れ目なくライブ映像と行き来して幻惑する。PVではよく見られるタイプの演出だが、これを生番組で成し遂げるには、CGのキャラと本人のダンスとが完全に一致する必要があり、Perfumeと技術スタッフの修練の賜物なのである。それにしてもこれ、会場の人にはどう見えていたのだろうか。
今年の紅白にPerfumeが出るかどうかはわからないが、出れば何かやってくれるはずなので、技術的な面でもぜひ注目していただきたい。