2016年01月11日

僕の彼女はサイボーグ

 毎年のことだが、新年の特番が面白くないので、録画した映画などを観ている。
 「僕の彼女はサイボーグ」は、綾瀬はるかが無表情のロボ演技を見せる珍品。一応ラブコメになるのだろうか、色々な面で危うい作品だ。

 主人公は、さえない大学生のジロー。誕生日を一人で過ごしていると、かわいいながらもハチャメチャな女性と出会う。しかし、楽しいひと時を過ごしたのもつかの間、彼女は「未来へ帰る」と言って去ってしまう。
 一年後の誕生日、ジローは再び現れた彼女に喜ぶが、表情も行動も前より一層おかしい。ジローの家に着くと、彼女はR2D2のように目から映像を投影する。それによると、彼女は未来の自分が送り込んだロボット。今晩ジローは大けがをするはずだったのだが、その運命を変えるために現れたのだという。こうして、人間とロボットの奇妙な同棲生活が始まる。

(以下に結末を含むネタバレがあるので念のため)

 彼女は、大学で一緒に過ごしたり、ジローの過去を訪ねたりするうちに、徐々に人間らしさを獲得していく。
 しかしある日、大地震が起こる。この災害描写はかなり激烈で、このまま世界が終わりそうな雰囲気がある。ジローを助けようとして、彼女はボロボロになる。この描写も非常にこだわりを感じる。彼女は助からず、ジローは悲しみに暮れる。
 ここまでだったら、よくある話だ。だが正直、よくある話で済んでほしかった。本作はここから蛇足どころではない怒涛の追加パートが始まる。
 ジローはその後の人生をかけて彼女を再生し、老いて死ぬ。科学の進歩に貢献したということなのだろう、機能停止した彼女は博物館に展示されている。そこへ、彼女そっくりの女性が現れる。ロボットの記憶を調べ、ジローに興味を持ったその女性は、どうしてもジローに会いたくなり、過去へ飛ぶ。これが物語冒頭の女性である。
 女性は一晩のデートを終えても、元の時代へ帰らなかった。大地震の日へ飛び、彼女を失って悲しむジローの前に現れたのだった。

 人間とロボットは恋ができるか。SFではしばしば取り上げられる命題だが、日本のマンガやアニメではできて当然という結論が多い。この映画の中でも、時間をかけてジローとロボットが恋を育んでいく。ところが結末で、それまでの積み重ねを無視して、人間の女性がすべてを持って行ってしまう。驚くやら落胆するやらで観客は大変なことになる。予想するに、クァク監督は韓国人なので、倫理的に人外のものと結ばれる結末は許されない、とでも考えたのではなかろうか。泣こうと思っても裏切られる、変な映画になってしまった。

怪演度 8
フェチ度 9
蛇足度 10
個人的総合 5

posted by Dr.K at 17:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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