2016年01月12日

短い高価い支離滅裂「月極蘭子のいちばん長い日」

 「月極蘭子のいちばん長い日」は、PS3用のアクションゲーム。しかしながら、このゲーム単独では買うことができない。4本の短編から成る劇場用オムニバスアニメ「SHORT PEACE」のブルーレイに、第5の作品としてこのゲームが収録され、「SHORT PEACE 月極蘭子のいちばん長い日」として売られているのだ。
 シナリオとディレクションを須田剛一が手掛け、開発を「TOKYO JUNGLE」のクリスピーズが担当するとなれば、ただ事で終わらないことは容易に想像できるが、奇抜を通り越して支離滅裂。客観的に言ってクソゲーである。

Kiraradragon
 ゲームは、背後から迫ってくる敵に追いつかれないようにステージを駆け抜けていく、横スクロールアクションを基本とするが、ボス戦などシステムの異なるステージが脈絡なく挿入される。ドラゴンが都心に現れるゲームはクソ、という説をさらに裏付ける結果となった。
 物語は輪をかけてひどい。女子高生の蘭子は、全国の駐車場を支配する月極財閥のお嬢様であり、復讐のため殺しを請け負うスナイパー。駐車場のコンテナを住みかとしているビジュアルも面白く、序盤は期待が高まる。しかし、やがてゾンビにドラゴンに特撮ヒーローにプロレスに未来に黄泉の国と、ありとあらゆる混沌に巻き込まれた末、誰だかわからない実写アイドルのカラオケシーンで終わる。ゲームにどれくらい手こずるかにもよるが、この間約90分。考察する気も起きない意味不明ぶりである。
 アニメ「SHORT PEACE」は、オムニバス作品にありがちな、かっこつけたわかりにくい実験映像ではなく、完成度が高く誰にでもわかるエンターテインメントとなっている。一方、「月極蘭子」は、シーンごとに作風を変えるなど、映像面で実験的ではあるのだが、カップリングの中で浮いてしまっている。須田の悪ふざけについていける、真の須田ファンのみ楽しめるゲームだ。さすがの私も、こいつばかりは、繰り返しプレイしたり、人に勧めたりしようとは思えない。

posted by Dr.K at 20:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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