2016年01月31日

あん

 題名は、人名ではなく〈餡〉のこと。
 千太郎(永瀬正敏)は、小さなどらやき屋を営んでいる。そこへ徳江(樹木希林)が、バイトしたいと現れた。その歳では無理、と断る千太郎に、徳江は自作の餡を押し付ける。餡は確かに絶品で、千太郎は徳江をやとうのだった。
 餡作りの過程が丁寧に描写されるが、グルメ映画ではない。店が繁盛するまでを描いたサクセスストーリーでもない。小さな日常の中に人生が凝縮されている、作中の餡のように滋味あふれる佳作なのである。何に感動したのか説明するのが難しい、という点で「マイマイ新子と千年の魔法」にもどこか通じるところがある。そして新子と同様、観客からの支持が根強く、アンコール上映が決まった。以下は公式からの引用。

<全国のイオンシネマで アンコール上映です!!>

やはりこの「あん」」は映画館の暗闇と静寂の中で観ていただきたいです。
千太郎と徳江のつぶやくようなセリフ、木々や風の声、そして餡子のささやきを感じられる場所だからです。

大きなスクリーンでは、ラストチャンスかもしれません。
全国のイオンシネマ約80館で2月に一斉に公開されます!

 映画館の長所として、大スクリーンと大音響は誰もが認めるところだが、なるほど、暗く静かという環境も作品によっては大事だ。将来に不安を持つ人や、ここまでの人生に後悔がある人に、ぜひ観てほしい映画だ。

風景美 8
演技力 10
渋み 10
個人的総合 8

他の方の注目すべき「あん」評
忍之閻魔帳 …どこぞの映画賞よりよほど見る目があります
映画@見取り八段 …こういう言語化ができる人になりたいわ

posted by Dr.K at 14:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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