2016年06月05日

同志ユーリ・デレステノフの手記 その1「The Tomorrow Children」オープンβテスト

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 ユーリは地下鉄から降り立った。
 見渡す限りの平原にわずかな施設。ユーリはその殺風景をきれいだと思う。
 一人ぼっちのようだがそうではない。周囲には幻のように現れては消える他の同志たちがいる。彼らはすべてユーリと同じ顔だ。プロジェクションクローン。人類復活のために、おそらくはただ一人のオリジナルから作られた幻影たちが、ここで思い思いに働いている。

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 ユーリは掘ることしか知らぬ。定期運行するバスに揺られ、近くの島へ。掘って穴をあけ、資源を探すのだ。

 ユーリのカバンは3つしか物が入らぬ。だがバス停には自動積み込みシステムがあり、多くの荷物を一度に街へ運べる。ユーリはこれがどうにも信用できぬ。置いたら盗られそうな気がする。街に着いたら、皆で資材置き場まで荷物を運ぶのだが、これも不満だ。ユーリは自分への評価がかすめ取られていると疑った。

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 巨大な怪物が街に迫っている。イズベルクと呼ばれるそれに、同志は果敢に向かっていく。だがユーリには免許がない。ここでは許可がなければ武器は使えない。踏まれぬよう逃げていると、イズベルクが蹴散らしたのか、資源があたりに散らばっている。それらを集めていると、さながらゴミ収集のようで、ユーリは悲しくなった。
 島と町との行き来は思ったより面倒だった。バスが少なく、待ち時間が長かった。ジェットパックで飛べば簡単で楽しいが、すぐ燃料が切れた。街が寂しいので何か建てたいが、作業場はいつも他の同志で塞がっていた。

 出来ることを増やすには、政府の許可証や道具が必要だった。役人は、闇でそれらを売ってくれる市場を紹介してくれた。だが、そこで買い物をするには、配給券でなく外貨が必要だった。ユーリはまじめ過ぎた。配給券のみで暮らそうとしたら、することはあまりに限られていた。だからユーリは旅に出ることにした。もっと大きな街なら何かができると思ったのだ。

posted by Dr.K at 17:05| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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