2016年06月08日

アイアムアヒーロー

 こんなに悲鳴の上がる映画館は初めて。想定外のおぞましさに、途中退出する客もいたと聞く。映画「アイアムアヒーロー」は、原作とは異なる三つの方法で、何も知らない観客を騙しにかかる。

●予告編詐欺
 明るい音楽も相まって、何やら面白げなパニック大作という雰囲気。実際はそんな音楽は使われず、目をそむけたくなる残虐表現の連続だ。

●パンフレット詐欺
 驚いたことに、パンフレットまでもが客を欺く。ピンク色のポップな装丁。有村架純の写真は本編と異なるものが使用され、ネタバレが避けられている。

●配役詐欺
 冒頭で、マンガのアシスタントをしている英雄(大泉洋)。先輩アシスタントは塚地武雅、マンガ家の先生にはマキタスポーツがキャスティングされている。どう見てもコメディの布陣であり、観客の緊張感は0に等しい。

 一方、原作を知っている私は騙されないが、妥協のない映像には拍手喝采。変わり果てたてっこの映像化が完璧なのに喜び、大スケールのパニックシーンにも満足。どんなにリアルなホラーでも、外国人が演じ外国が舞台になっていると、それだけでフィクションという安心感があるが、本作は日本人が日本の街でやっているため、格段の不気味さがある。
 映画の結末は、原作のショッピングモールまでなので、客観的には途中である。しかしながら、謎を放り出したままその場を脱出して終わり、というのはゾンビ映画の伝統的な型であるため、非常に収まりが良い。原作はこれ以降実写化に向かない展開となるため、続編は多分やらない方がいいだろう。

配役 8
原作再現度 9
グロ度 10
個人的総合 7

posted by Dr.K at 06:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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