答:どうもしない。
コナミの新作「メタルギアサバイブ」が、わざとじゃないかと疑うくらいヘイトを集めている。
初報は海外のゲームショウだった。MGSVの基地が異界へ吸い込まれ、生き残った兵士がゾンビのような敵と戦う、という設定に「こんなのメタルギアじゃない!」と多くのファンが反発した。
そして先日、東京ゲームショウではプレイ内容のムービーが公開され、ステージイベントが開かれた。マップ、キャラ、モーションなど素材の多くをMGSVから流用していることがわかり、さらなる怒りを買った。
一方、同じく東京ゲームショウで、小島監督は新作の紹介のため登壇していた。「メタルギアサバイブが小島監督のアイディアだという噂をネットで見たが、本当か」という司会の質問に対し、全然関係ないと否定。「ゾンビなんか出るわけない」発言に、会場からは拍手が起こったという。
この事態の真相を以下に暴くが、何の根拠もない邪推なので本気にしないでほしい。
2015年○月○日
MGSVの開発が終わり、小島監督らは会社を去っていった。だが我々はコナミに残ることを選んだ。寂しさを感じつつ、ふと、スネークが去ったあと残された兵士たちを題材にゲームを作ったらどうか、というアイデアが浮かんだ。
2015年△月△日
我々、旧小島プロのスタッフは突然、上層部から呼び出しを受けた。
お前らは小島の名のもとに、長すぎる開発期間、高すぎるコストという罪を犯した。このままゲームを作り続けたいなら、社の方針に従う姿勢を見せろ。
恫喝とともに提示されたのは、MGSシリーズの派生作品を、信じられないような短期間と低コストで作ることであった。守る者がいなくなった戦場は、地獄とほぼかわりがなかった。
2016年×月×日
どうしたらいいのか。我々は連日企画会議を行った。
この条件では、新しいストーリーや世界観など構築することは不可能。MGSVの素材を極限まで流用し、ゲーム性の部分に新規性を入れるということで、どうにか方針が定まった。
2016年○月○日
開発は難航した。FOXエンジンという優れたツールがあり、MGSVの素材もある。しかし、主だったスタッフの半数がいない状態では、高度なAIなど組みようがなかった。そこで急遽敵をゾンビとした。これならモーションのしょぼさもごまかせそうだ。
ゲーム内容はゾンビ相手の防衛戦としたが、勝ち目のない戦いを強いられているのは我々スタッフもまたそうだった。
2016年△月△日
信じられない。上層部は、これを海外のゲームショーに出せという。そしてタイトルを「メタルギアサバイブ」にするよう命じた。略してMGSとなり、シリーズの正当な続編に見えるだろう、というのである。全く阿漕すぎてあきれる。まだ到底見せられる段階ではなかったが、急遽、出来ている素材を組み合わせて予告編を作って持っていく。
2016年×月×日
ネットではバッシングが起こっていた。上層部は、東京ゲームショウではプレイできる内容を見せ、文句を言う輩を黙らせろと厳命した。一方で、今回のアイデアは、会社を去る前に小島が出したことにしよう、とも言う。せこい。
2016年○月○日
東京ゲームショウは惨憺たる結果に終わった。小島監督も、今は新しい会社で新しいプロジェクトを動かしており、我々を守ってくれる立場にはなかった。連日の追い込みで、我々は疲弊していた。いつからか、会社を去るスタッフのことを、ワームホールに吸い込まれた、と言うようになっていた。メタルギアサバイブの開発は終わっても、我々のサバイブに終わりはない。多分、上層部の気が済むまで、MGSはこき使われ続けるのだろう。