観た後に何も残らない、という映画はあまり評価されないかもしれませんが、観た後に何かが残り過ぎる映画、というのもそれはそれで困りものです。「この世界の片隅に」が私の中心からなかなか離れてくれません。
結果として、ネットの関連記事を読み漁って時間を費やすことになったのですが、その中から特に優れた論考をいくつか紹介します。
すずさんが絵を描く場面について、アニメとマンガの両方を詳細かつ具体的に追った、圧巻の分析。何度も見直して確認したいけれど、それにはブルーレイの発売を待たねばならない!
すずさんではなく、その右手が主役だとする新たな視点を提示。私は、エンドロール最後の「バイバイ」について、そこまでの流れと不似合いな気味悪さを感じていたのですが、なるほど、この考え方なら違和感がないですね。
ここからは余談。まずはこの画像をご覧ください。
すずさんは、嫁入りしてからずっと、この手提げを愛用しています。木製の取っ手がかわいらしいですね。実は、私の母が似たようなものを使っています。
デザインは異なりますが、母の手作りの手提げです。気になったので、母に由来を聞いてみました。もともとは、祖母の頃に流行ったもので、布の部分は、古い着物などを裁って作るのだそうです。すずさんの裁縫シーンを思い出しますね。戦前、戦中には一般的なものだったのではないか、とのこと。思いがけず、考証が裏付けられることになりました。
映画二回目を観て漫画も読みました。
原作と映像がここまで幸せな関係を結んでる作品に初めて出会いました。
実現しれない可能性も十分あっただろうに。執念すら感じる様々な考証や積み重ねが日の目をみて、
こんなに楽しませて貰えるなんて、ものすごい幸せな気分です。
そして夢見る機械を少し思い出してしまうのです
https://akiba-souken.com/article/27618/?page=2
こんな記事もありました。
良い記事もありがとうございます。
ここだけの話ですが、
2年ほど前、今さん回顧録のトークイベントで丸山さんに「夢見る機械」はどうなったのでしょうか?
と直接質問をしたことがあります。
答えにくい質問を丁寧に誠実に答えてくださいましたよ。その時もドキュメンタリーは作りたいと仰ってました。
それもいつかの楽しみにゆっくり待ちたいですね