2017年03月05日

憎いほどの貫禄 「Gravity Daze 2」その5

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 メインミッションをクリア。いや〜、これは憎い。良い映画のような小粋な結末であるばかりか、ストーリーとゲーム体験とを連携させる工夫に満ちている。以下、ネタバレしつつそれらの紹介。

●上層への帰還
 光る女性の導きで、キトゥンとクロウは、世界の柱の上層を目指す。
 前作の終盤で、柱の下層へ旅立ったのと逆の行動となる。
 映画でよくある、オープニングとエンディングで似た状況を出して対比させる手法と同じである。「グラビティデイズ2」の場合、ただ似た景色を出すのではなく、能力制限などギミックが前作と類似しており、過去のプレイ感覚を思い出させることで、より効果的な対比表現となっている。

●エト
 上層にはエトの国があった。使いの者が船で案内してくれる。
 つなぎの場面だが、デモではなく操作が可能になっている。きょろきょろできることで、初めての場所を見ている感覚が強く伝えられる。

●アルハの日々
 キトゥンはそれまでの記憶をなくし、エトの女王アルハとして執務の日々をおくる。
 いきなりアドベンチャーゲーム風になって面食らう。重力操作をはじめ、アクションは封印される。また、宮殿内の限られた空間しか行き来できず閉塞感がある。単調なプレイを強制されることで、退屈な日々を実感させる仕組みだ。女王の姿で歩くモーションに違和感があるのだが、これは、キトゥン本来の姿ではないということを演出したのか、それともたまたまなのか。

●記憶の迷路
 キトゥンが記憶を取り戻し、エト王カイと戦いになる。カイは超越者エレクトリシティを使ってヘキサヴィルを攻める。キトゥンはヘキサヴィルの街を救いに行きたいが、そのためにはアルハとしての記憶を取り戻す必要があった。
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 パズルを解いていくと、少しずつ記憶が紐解かれていく。プレイによってストーリーを進めるというこだわりが感じられる。唐突なパズルと思った人も多いだろうが、実は前作に似たギミックの精神世界ステージがあり、演出としては筋が通っている。

●最後の戦い
 仲間が次々と倒れ、絶望的になっていく戦いは、アニメの最終回のような熱さがある。キトゥンが駆けつけ、エレクトリシティを倒すと、カイの守護獣が巨大化してこれがラスボスとなる。
 一般的なアクションゲームのボス戦では、それまでの蓄積を生かして敵を倒す。だが、ゲームのうまさは人それぞれ。クリアできなかったら困るし、楽勝過ぎれば緊張感に欠ける。「グラビティデイズ2」では、ボス戦が進むにしたがって、キトゥンの能力が剥奪されていく。うまいプレイヤーでも危機感を感じる、巧みな演出だ。
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 実はジルガ・パラ・ラオにラスボスと思しき像がある。上層との戦いは今回が初めてではないのかもしれない、と想像が広がる。

●歌
 ついに力尽きたキトゥンを、住民たちの歌が励ます。「マザー」か「スペースチャンネル5」か、という展開だ。
 だが逆転に至るまでしばらく間がある。この間、キトゥンは動けないが、視点のみ操作できる。充分に焦らしてから最後のフェイタルムーブが発動する。これこそ演出だよなあ、憎い!
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 それにしてもこの歌、キトゥンが歌手に間違えられるイベントのためだけのものかと思っていたけれど、意外に重要だったのね。オルゴールもこの曲だったし、エトの伝統的な歌なのだろうか。実は、特典のアニメではシドーがこの歌を口ずさんでおり、正体をほのめかしている。

●内宇宙に収斂した選択
 キトゥンは街を去る。
 プレイヤーはクロウを操作して、その後の街を見回りながら、各キャラクターと短いやり取りを交わす。そこへキャストのクレジットが重なる。
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 脇役のその後を見せるのはエンディングの定番であるし、キトゥンが帰ってきたかもと思わせるのも、映画の結末の常套手段である。しかしながら、それらをプレイヤーに操作させる作りが素晴らしい。これによって結末もプレイ体験として刻まれることになる。
 各エリアを寄り道しなければいけない作りは、エンディングとしては冗長と思った人もいるかもしれない。だが、オープンワールドである「グラビティデイズ2」にとって、街はもう一つの主役と言える。キャラクターだけではなく、街にもお別れを告げさせてくれる、粋な終わり方なのである。
 エンドロールには、フォトモードで撮った写真が多数使われる。変な写真ばかりだと興が削がれてしまうが、プレイヤー個人の思い出を反映してくれるいい仕組みだと思う。

 ゲームにはゲームにしかできないストーリーの伝え方がある。「グラビティデイズ2」は、エンディングまでプレイする価値のある傑作である。


posted by Dr.K at 18:36| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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