2017年04月29日

3月のライオン 後編

 公開されたばかりなのに、いきなり小さい部屋に追いやられている。「美女と野獣」や「コナン」が人気で、場所がないらしい。実にもったいない。これもいい出来なのに。

 後編と聞くと、普通は後ろ半分とイメージするものだ。だが「3月のライオン」は違う。前編は序章に過ぎず、後編こそが本編である。
 そう感じたのは、前編で発生した事件を後編で解決する、というよくある仕掛けが作られていなかったから。「3月のライオン」では、前編で桐山と他の棋士との戦いを描きつつ、一通りのキャラクターを配置。そして後編では、各人物のドラマをぐっと掘り下げるエピソードが描かれていた。
 前編よりずっといい。私はそう思ったのだが、対局を中心とした内容を期待した観客にとっては期待外れだったようで、評価は二分されている。
 将棋とは関わりないところで展開する、川本家をめぐる物語。ここで、桐山が活躍しないのがいい。フィクションの世界では、一芸をもってあらゆる危機を乗り越えるヒーローが、多数存在する。しかし桐山は、天才棋士ともてはやされていても、他の場所では年相応の無力な少年だ。これによって、物語にぐっとリアリティが出た。
 後藤との対局の後、ばたばたと一気に物語をたたむのは、連続ドラマの最終回のような駆け足感があって今一つだったが、過剰にハッピーにしないところはよかった。あえて対局を見せず、余韻を残した結末も粋。

 それにしても、ぼっちの桐山を気にかけてくれる林田、めっちゃいい先生だと思うけど、他の生徒からはどう見られているのか心配だ(笑)

情緒感 8
シリアス度 9
安定感 8
個人的総合 7
posted by Dr.K at 20:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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