
でもやっぱり変なマンガだ。各国の騎士が戦場に集い、どんな戦闘が繰り広げられるかと思いきや、ほとんど見せ場がない。
オペレーターであり、スーパーコンピューターでもあるファティマが、情報戦を制するために、激しいハッキング合戦を繰り広げる。このあたりは、現実のネット社会が反映したのかな、と思う。
最強兵器と恐れられるメカは、ほとんど棒立ちでアクションに乏しく、操縦技術に長けているはずの騎士は、ほとんどが傍観者と化す。メカの名、騎士の名が飛び交い、戦わずして互いに退いていく。つまらん。
思い出すのは、古臭い時代劇。水戸黄門では、悪役は必ず印籠にひれ伏す。遠山の金さんでは、桜吹雪にひれ伏す。「ファイブスター物語」では、そのお約束が、メカの威容や騎士の名に置き換わっただけなのだ。永野護は、メカや騎士を出したいが、それを活躍させる気力は残っていないのかもしれない。
まあ、久しぶりに続編を描いても、記念刊行物の一部にしかならず、ファンからも喜ばれない松本零士よりはマシか。