2018年07月07日

ファインディング・ドリー

 いつもは巧みに吹替えられているディズニー映画だが、これはのっけから失敗。

「あたしはドリー、なんでもすぐ忘れちゃうの」

 単に頭が悪いだけ? そうじゃない。英語だとちゃんと短期記憶障害と言っている。ここが伝わっていないと、物語の全体が、単なるドタバタ・スラップスティック・ギャグで終わってしまうことになる。
 いつもながら素晴らしい映像だ。海の中の景色は多彩で美しく、タコはCGであることを忘れさせる動きを見せ、地獄のような演出を施されたタッチプールには特に笑えた。
 しかしながら、ストーリーには難がある。今回は、水族館が主な舞台。ドリーは両親を探して、施設の中へ突入する。「ファインディング・ニモ」で、ニモが水槽に囚われてしまった時の危機感は大変なものがあった。ところが、「ドリー」では、タコやら鳥やらが移動手段として万能なため、水族館でも大した危機感なく縦横に冒険できてしまう。短期記憶障害というハンデを個性と認め、「偶然を大切に、直感的に生きよ」というのが本作のテーマ。しかし、それをストーリーに落とし込むとご都合主義と見分けがつかない。他の会社が作った映画ならともかく、ガチガチに計算ずくのストーリーが持ち味のディズニーがそれをやると違和感が大きい。色々と腑に落ちないまま感動の場面を見せられ、大団円を迎えてしまった。
 夢があるのと荒唐無稽との境界は際どい。

映像美 9
超能力 8
超展開 8
個人的総合 5

〈他の方の真っ当なドリー評〉

posted by Dr.K at 22:11| Comment(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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