2018年09月05日

ドラマ「この世界の片隅に」 第七話

 物語はいよいよクライマックス。それだけに、このドラマの作りには色々と文句を言いたい。

 爆発に巻き込まれたすずさん。その内面を、原作では断片的な回想を積み重ねて描き、映画では幻想的なアニメーションで演出した。ではドラマではどうしたのかというと、多少モノローグがあるだけでどうもしない。ドラマは客観的な映像に終始し、すずさんの思いを通した表現を排除する。従って、「歪んどる」のセリフはそのまま使っても、背景がゆがむような表現は踏襲しない。わかりやすいが、どうも物足りない。
 夜の空襲。すずさんは焼夷弾を布団で消し止めるが、ここで戦前生まれの父から文句が出た。あんなことで焼夷弾は消えない、嘘を描いてもらっては困る、と。これは父が正解で、原作では後で焼夷弾が不発だったことが示唆されているのだ。そこをカットしてしまったので、ドラマでは描写が不正確になっている。
 妹のすみが、すずさんを見舞いにやってくる。広島に帰っておいで、との誘いに、いやいや、原爆落ちるから、と視聴者をやきもきさせるシーンだ。原作ではすみを見送るとき、呉の町が一面の焼け野原になっていてショックを受けるのだが、ドラマではセットが狭く限られていてインパクトが出なかった。
 サギを追うシーン。原作や映画と比べると、サギがなんだか遠くて小さい。本物を使ったら大きく撮れなかったのだろうか。続く機銃掃射は派手過ぎて別の作品みたいだった。
 いよいよ8月6日だな、と身構えていると唐突に現代。この平和ボケした話は何なんだ。わずかな時間で内容も乏しく、ますます余計にしか思えない。北條節子の素性は徐々に明らかになってはいるが…

 原爆投下で今回は終わりかと思ったら、もう少し先まで話があった。すずさんが髪を切って決意を表す。原作既読組にとっては、これを引きにするのは詐欺みたいなもん。次回がっかりすることになるかも。
posted by Dr.K at 23:07| Comment(0) | 馬鹿は黙ってろ! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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