2018年11月17日

伴俊男「手塚治虫物語1 オサムシ登場」

tezukamonog.jpg 11月3日は手塚治虫の誕生日。平成最後となる今年は、手塚の生誕90年となる。

 だからというわけでもないが、「手塚治虫物語」を購入した。長年アシスタントをつとめた伴俊男が、手塚の一生をマンガ形式で振り返った作品だ。手塚が亡くなったその年に連載開始され、92年には大判の単行本として出版された。そして94年に文庫版が出ている。私は大学院で手塚治虫を研究しており、この文庫が良い資料になったことを覚えている。
 さて、今回買ったハードカバー版は、2009年に金の星社から出た復刻版なのだが、久しぶりに読んだら一つひっかかる記述にぶつかった。

 それは手塚の小学生時代のエピソードである。自分で描いたマンガをクラスで回覧していたことがばれて、叱られるかと思いきや、担任の先生が理解のある人で、これからもマンガを描き続けるよう励まされたというものだ。その先生の名は、乾秀雄である
 ところが、「手塚治虫物語」の中では、先生の名が「稲井」となっている。他の漫画家などは実名で出ているので、なんとも不自然である。また、何度も出版されている本なので、単なる誤りではないはずだ。
 乾先生は謙虚な方なので、本名での出演を固辞されたのかもしれない。
posted by Dr.K at 21:13| Comment(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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